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text:sanboe:ka_sanboe2-02 [2024/08/31 16:30] – 作成 Satoshi Nakagawatext:sanboe:ka_sanboe2-02 [2024/09/05 21:57] (現在) Satoshi Nakagawa
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 役優婆塞(えんのうばそく)、俗姓(ぞくしやう)は賀茂役公(かものえのきみ)、今は賀茂朝臣と((底本「もとのえのきみ、いまはたたもの朝臣」に「賀茂役公今は賀茂朝臣と云或」と異本注記。異本注記に従う。))と云ふ氏なり。名をば小角(をづぬ)といひき。大和国葛城の上郡(かみのこほり)千原村の人なり。 役優婆塞(えんのうばそく)、俗姓(ぞくしやう)は賀茂役公(かものえのきみ)、今は賀茂朝臣と((底本「もとのえのきみ、いまはたたもの朝臣」に「賀茂役公今は賀茂朝臣と云或」と異本注記。異本注記に従う。))と云ふ氏なり。名をば小角(をづぬ)といひき。大和国葛城の上郡(かみのこほり)千原村の人なり。
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 古人伝へて云はく、「役行者、みづからは草座に乗りて、母をば鉢に乗せて唐へ渡りにけり」と言へり。葛木山の谷の底には、常に物の呻(によ)ふ声聞こゆるを、人尋ね至りて見れば、大きなる岩を大きなる藤纏(もと)ひ縛れるを疑ひて、その藤を切れども、すなはちまた元のごとくに成りわたりぬ。また橋の料(れう)にせし石は、削り造りて今に峰谷に多かりといへり。 古人伝へて云はく、「役行者、みづからは草座に乗りて、母をば鉢に乗せて唐へ渡りにけり」と言へり。葛木山の谷の底には、常に物の呻(によ)ふ声聞こゆるを、人尋ね至りて見れば、大きなる岩を大きなる藤纏(もと)ひ縛れるを疑ひて、その藤を切れども、すなはちまた元のごとくに成りわたりぬ。また橋の料(れう)にせし石は、削り造りて今に峰谷に多かりといへり。
  
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 ===== 翻刻 ===== ===== 翻刻 =====
  
-  役優婆塞俗姓はもとのえのきみいまはたたもの朝臣(賀茂役公今賀茂朝臣云或) +  役優婆塞俗姓ハモトノエノキミイマハタタモノ朝臣(賀茂役公今賀茂朝臣云或) 
-  云氏也名をは小角といひき大和国葛城上郡千原 +  云氏也名ヲハ小角トイヒキ大和国葛城上郡千原 
-  村人也そのをみれはむまれなからにしるひろくまなひて +  村人也ソノヲミレハムマレナカラニシルヒロクマナヒテ 
-  さとりおほし三宝をたのみあふく事常さしとす +  サトリオホシ三宝ヲタノミアフク事常サシトス 
-  もとむるありて葛木山にすむ卅余年窟中にゐて/n2-19r・e2-16r+  モトムルアリテ葛木山ニスム卅余年窟中ニヰテ/n2-19r・e2-16r
  
-  藤皮をき給松葉をくひとして清泉をあみて身心 +  藤皮ヲキ給松葉ヲクヒトシテ清泉ヲアミテ身心 
-  あかをあらひ孔雀王呪をならひ霊験をあらはしえた +  アカヲアラヒ孔雀王呪ヲナラヒ霊験ヲアラハシエタ 
-  或時には五色にのりて仙人にかよふ外従 +  或時ニハ五色ニノリテ仙人ニカヨフ外従 
-  五位下韓国広足はしめはをうやまひてとしきにはその +  五位下韓国広足ハシメハヲウヤマヒテトシキニハソノ 
-  神のかしこきをみて公家して狂(たふら)かすあしき +  神ノカシコキヲミテ公家シテ狂(タフラ)カスアシキ 
-  物也国のためにあしかるへしと申行者諸鬼神をめしつかひ +  物也国ノタメニアシカルヘシト申行者諸鬼神ヲメシツカヒ 
-  をくませをとらしむにしたかはぬなしあまたの鬼神 +  ヲクマセヲトラシムニシタカハヌナシアマタノ鬼神 
-  をめして云葛木山金峰山とにをつくりわたせかよふ/n2-19l・e2-16l+  ヲメシテ云葛木山金峰山トニヲツクリワタセカヨフ/n2-19l・e2-16l
  
 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/19 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/19
  
-  みちにせむといふともてなけけともゆるさすせため +  ミチニセムトイフトモテナケケトモユルサスセタメ 
-  をほするにわひてひるはみにくしとてよるにかくれてつくり +  ヲホスルニワヒテヒルハミニクシトテヨルニカクレテツクリ 
-  わたさむとてよるよるいそきつくるあひた行者葛木一言主 +  ワタサムトテヨルヨルイソキツクルアヒタ行者葛木一言主 
-  をめしてとらへてなにのはつかしきことかあらむをかく +  ヲメシテトラヘテナニノハツカシキコトカアラムヲカク 
-  すへからすすへてはなつくりそとはらたちてをもちて +  スヘカラススヘテハナツクリソトハラタチテヲモチテ 
-  しはりてのそこにうちをきつ藤原宮雨のしたををさめ給 +  シハリテノソコニウチヲキツ藤原宮雨ノシタヲヲサメ給 
-  よに一言主神人云役優婆塞はかりことをなして +  ヨニ一言主神人云役優婆塞ハカリコトヲナシテ 
-  国王をかたふけたてまつらむとすと公家おとろき/n2-20r・e2-17r+  国王ヲカタフケタテマツラムトスト公家オトロキ/n2-20r・e2-17r
  
-  使をしてとらへしめにそらにのほりとひてとらへられすその +  使ヲシテトラヘシメニソラニノホリトヒテトラヘラレスソノ 
-  かはりにをとらへしめへは行者母にかはらむとてつからいて +  カハリニヲトラヘシメヘハ行者母ニカハラムトテツカライテ 
-  きたりてとらへられぬ即文武天皇三年己亥五月丁酉日 +  キタリテトラヘラレヌ即文武天皇三年己亥五月丁酉日 
-  伊豆島へなかしつかはせは海上にうかひてはしるかことし巓 +  伊豆島ヘナカシツカハセハ海上ニウカヒテハシルカコトシ巓 
-  飛事鳥のことしひるは公家にゐたれとも +  飛事鳥ノコトシヒルハ公家ニヰタレトモ 
-  夜駿川国冨士峰にゆきてをこなふねかふはたたこの島 +  夜駿川国冨士峰ニユキテヲコナフネカフハタタコノ島 
-  をまぬかれておほやけのにはにしてをうけふさむといのる三年 +  ヲマヌカレテオホヤケノニハニシテヲウケフサムトイノル三年 
-  をすきて大宝元年辛丑五月にめしあく御前にちか/n2-20l・e2-17l+  ヲスキテ大宝元年辛丑五月ニメシアク御前ニチカ/n2-20l・e2-17l
  
 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/20 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/20
  
-  つき候程にそらにのほりてとひうせぬにのり雲(くも)にかくれてうみ +  ツキ候程ニソラニノホリテトヒウセヌニノリ雲(クモ)ニカクレテウミ 
-  にうかひてはるかにさりてかへらす我朝道照法師勅 +  ニウカヒテハルカニサリテカヘラス我朝道照法師勅 
-  法をもとめむかためにもろこしにわたりし新羅五百虎請 +  法ヲモトメムカタメニモロコシニワタリシ新羅五百虎請 
-  新羅にいたれり山内にして法華経する人 +  新羅ニイタレリ山内ニシテ法華経スル人 
-  ありて我国にてうたかひをあけたり道照和尚たれそととへは +  アリテ我国ニテウタカヒヲアケタリ道照和尚タレソトトヘハ 
-  答云我はもと日本国にありし役優婆塞也彼国人神 +  答云我ハモト日本国ニアリシ役優婆塞也彼国人神 
-  心もあしかりしかはさりにし也今時々はかよひゆく +  心モアシカリシカハサリニシ也今時々ハカヨヒユク 
-  といふ我国聖也としりてそのかひに高座よりをりて/n2-21r・e2-18r+  トイフ我国聖也トシリテソノカヒニ高座ヨリヲリテ/n2-21r・e2-18r
  
-  をかみもとむるににみへすなりぬ葛木一言主此 +  ヲカミモトムルニニミヘスナリヌ葛木一言主此 
-  行者にしはられていまにいまたとけすといへり続日本紀霊 +  行者ニシハラレテイマニイマタトケストイヘリ続日本紀霊 
-  異記居士小野仲広撰日本国名僧伝等たり +  異記居士小野仲広撰日本国名僧伝等タリ 
-   古人伝云役行者みつからは草座をはにのせ +   古人伝云役行者ミツカラハ草座ヲハニノセ 
-   へわたりにけりといへり葛木山には常 +   ヘワタリニケリトイヘリ葛木山ニハ常 
-   呻(によふ)こへきこゆるを人尋いたりてなる岩(いは) +   呻(ニヨフ)コヘキコユルヲ人尋イタリテナル岩(イハ) 
-   大なるもとひれるをうたかひてそのをきれとも即又 +   大ナルモトヒレルヲウタカヒテソノヲキレトモ即又 
-   如元わたりぬ又橋のれうにせし削造ていまに/n2-21l・e2-18l+   如元ワタリヌ又橋ノレウニセシ削造テイマニ/n2-21l・e2-18l
  
 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/21 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/21
  
-   峰谷におほかりといへり/n2-22r・e2-19r+   峰谷ニオホカリトイヘリ/n2-22r・e2-19r
  
 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/22 https://dl.ndl.go.jp/pid/1145963/1/22
  
text/sanboe/ka_sanboe2-02.1725089442.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa