醒睡笑 巻8 秀句
長岡越中守殿1)、豊前の国ひるかの神2)へ参詣あれば、神主、悦喜なのめならず賞しせし3)。
座敷にて、大守の羽織を見、「させも、めづらかなる唐物や」と讃め参らせければ、すなはち脱ぎてつかはし給ふ。
その当座の興に、
一 長岡越中守殿豊前の国ひうかの神へ参詣 あれは神主悦喜不斜賞しせし座 敷にて大守のはをりを見させもめつらかなる/n8-48r
唐物やとほめ参らせければすなはちぬぎて つかはし給ふ其当座の興に はれ物にあらぬ我身にとうぶくを ひるかの禰宜にすはれこそすれ/n8-48l