醒睡笑 巻8 かすり
<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>
津の国1)に多田(ただ)といふ在所の候ふ。同じ近里に役所ありしに、人足二人通る。関守(せきもり)のとがむれば、先に行く者、「これはただの夫(ぶ)2)にて候ふ」と。関守、「さあらば、八島の軍(いくさ)を語れ3)」。「それは、つぎのぶ4)にお尋ねあれ」と。
天然かたくみか5)。
一 津の国に多田といふ在所の候同近里に 役処ありしに人足ふたりとをる関守のとがむ れは先に行もの是はたたの夫にて候と関守さ/n8-42r
あらは八嶋軍をかたれそれはつきのぶにお尋 あれと 天然かたくみか/n8-42l