醒睡笑 巻7 謡
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津の国1)兵庫の浦にて、祭礼の能ありしに、舟弁慶2)のはてに、「跡白波(あとしらなみ)」といふを、「やれ不吉や3)」と思ひ出だし、太夫声を上げて、「跡暗闇とぞなりにける」。
直されぬはせめてよし4)。
一 つのくに兵庫(こ)の浦にて祭礼の能ありしに 舟弁慶のはてに跡白浪(しらなみ)といふをやれ不吉(ふきつ) やと思ひ出し大夫声をあけて跡くらやみ とそなりにける なをされぬはせめてよし/n7-41l