醒睡笑 巻3 不文字
ある男、二・三人連れ立ち、誓願寺(せいぐわんじ)に参りけるが、下陣にある額の六字1)を見、「誓願寺の額ならば三字こそあらんめ。何ぞ三つ余りたるは」といふ。一人が、「あれをえ読まぬか。誓願寺殿様(せいぐわんじとのさま)と書きたるは」と申したるこそをかしけれ。
一 ある男二三人つれだち誓願寺にまいりける がげぢんにあるかくの六字を見せいくわん じの額ならは三字こそあらんめ何 ぞ三あまりたるはといふ独があれをゑよま/n3-28l
ぬかせいぐわんしとのさまとかきたるはと 申たるこそおかしけれ/n3-29r