醒睡笑 巻3 不文字
ちと仮名をも読む人の言ひけるは、「このほど、徒然草を再々見て遊ぶが、おもしろう候ふよ」とありしかば、その座にゐたる者のさし出で、「かまへて口あたりよしと思うて、多く御参るな。つれづれ草のあへ物も、過ぐれは毒じやと聞いたに」。
一 ちとかなをもよむ人のいひけるは此ほとつれつれ 草をさいさい見てあそふかおもしろふ候よ とありしかは其座にゐたる者のさしいで かまへてくちあたりよしとおもふておほく 御まいるなつれつれ草のあへ物もすぐれ/n3-22l
はとくじやときいたに/n3-23r