醒睡笑 巻3 不文字
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物書く者を頼み、文(ふみ)一つあつらへ、宛てどころを問へば、「新のくと書きて給はれ」。「新六とこそ書かるれ、『のく』といふては知らぬ」。「さて、そなたはあさましや。六日市(むいかいち)の『むい』の字をさへえ知らいで」と。
一 物かく者(もの)をたのみ文一つあつらへあて処をとへば 新のくと書てたまはれ新六とこそかかる れのくといふてはしらぬ扨そなたはあさましや 六日市(むいかいち)のむいの字をさへゑしらいでと/n3-17r