ユーザ用ツール

サイト用ツール


text:yomeiuji:uji195

差分

この文書の現在のバージョンと選択したバージョンの差分を表示します。

この比較画面にリンクする

両方とも前のリビジョン 前のリビジョン
次のリビジョン
前のリビジョン
text:yomeiuji:uji195 [2014/10/13 15:02]
Satoshi Nakagawa
text:yomeiuji:uji195 [2019/12/07 16:51] (現在)
Satoshi Nakagawa [校訂本文]
ライン 6: ライン 6:
 **秦の始皇、天竺自り来る僧、禁獄の事** **秦の始皇、天竺自り来る僧、禁獄の事**
  
-いまは昔、もろこしの秦始皇の代に、天竺より僧渡れり。+===== 校訂本文 =====
  
-御門あやしみ給て、「これはいかなるものぞ。何事によりて来れるぞ」。僧申て、「迦牟尼仏の御弟子。仏法をつたへんために、はるかに西天よりたり渡れるなり」と申ければ、御門はらだち給て、「その姿きはめてあやし。頭のかみ、かぶろなり。衣のてい、人にたがへり。仏の御弟子となのる。仏とはなにものぞ。これはあやしきものなり。ただに返すべからず。人屋にこめよ。今よりのち、かくのごとくあやしき事いはんをば、ころさしむべき物也」とひて、人屋にすられぬ。「ふかぢこめて、をもくいましめてけ」と宣旨くだされぬ。+今は昔、唐土の秦始皇((始皇帝))の代に、天竺より僧(([[:​text:​k_konjaku:​k_konjaku6-1|『今昔物語集』6-1]]では「釈利房」。))渡れり。帝(みかど)、怪しみ給て、「これはいかなるぞ。何事によりて来れるぞ」。僧申いはく、「迦牟尼仏の御弟子なり。仏法をへんために、かに西天よりたり渡れるなり」と申ければ、帝、腹立ち給て、「その姿きはめてし。頭の禿(かぶろ)なり。衣の、人に違(たが)へり。仏の御弟子と名乗る。仏とは何者ぞ。これはしきなり。ただに返すべからず。獄(ひとや)にこめよ。今より、かくのごとくしきこと言はんをば、さしむべきものなり」とひて、にすられぬ。「ぢこめて、くいましめてけ」と宣旨されぬ。人屋の司の者、宣旨のままに、重く罪ある者置く所にこめて置きて、戸にあまた錠(ぢやう)さしつ
  
-人屋つかさの者、宣旨のままに、をもく罪ある物をく所にこめてをきて、戸にあまたじやうさしつ。此僧、「悪王にて、かくかなしき目をる。わが本師、尺迦如来、滅後なりとも、あらたに給らん。を助給へ」と念じ入たるに、迦仏、丈六の御姿にて、紫磨黄金の光をはなちて、空より飛たり給て、この獄門を踏やぶりて、僧をりてり給ぬ。+の僧、「悪王にあひて、かくしき目をる。わが本師迦如来、滅後なりとも、あらたにらん。われを助給へ」と念じ入たるに、迦仏、丈六の御姿にて、紫磨黄金(しまわうごん)の光をちて、空より飛び来たり給て、この獄門を踏み破りて、この僧をりてり給ぬ。
  
-そのつでに、おほくの盗人ども、みな逃りぬ。獄の司、空にりければ、でてるに、金の色したる僧の、光をはなちたるが、大さ丈六なる、空より飛りて、獄の門を踏破て、こめられたる天竺の僧を取て行をとなりければ、このよしを申に、御門、いみじくおぢおそり給けりとなん。+そのつでに、くの盗人ども、みな逃げ去りぬ。獄の司、空にの鳴りければ、でてるに、金の色したる僧の、光をちたるが、大さ丈六なる、空より飛来たりて、獄の門を踏て、こめられたる天竺の僧を取て行く音なりければ、このよしを申に、、いみじく怖()恐(おそ)り給けりとなん。 
 + 
 +その時に渡らんとしける仏法、世下りての漢には渡りけるなり。 
 + 
 +===== 翻刻 ===== 
 + 
 +  いまは昔もろこしの秦始皇の代に天竺より僧渡れり御門あや 
 +  しみ給てこれはいかなるものそ何事によりて来れるそ僧申て云 
 +  尺迦牟尼仏の御弟子也仏法をつたへんためにはるかに西天より 
 +  きたり渡れるなりと申けれは御門はらたち給てその姿きはめて 
 +  あやし頭のかみかふろなり衣のてい人にたかへり仏の御弟子と 
 +  なのる仏とはなにものそこれはあやしきものなりたたに返す 
 +  へからす人屋にこめよ今よりのちかくのことくあやしき事いはん/下107ウy468 
 + 
 +  物をはころさしむへき物也といひて人屋にすへられぬふかくとち 
 +  こめてをもくいましめてをけと宣旨くたされぬ人屋のつかさの者 
 +  宣旨のままにをもく罪ある物をく所にこめてをきて戸にあまた 
 +  しやうさしつ此僧悪王に逢てかくかなしき目をみるわか本師尺 
 +  迦如来滅後なりともあらたにみ給らん我を助給へと念し入たる 
 +  に尺迦仏丈六の御姿にて紫磨黄金の光をはなちて空より 
 +  飛きたり給てこの獄門を踏やふりて此僧をとりてさり給ぬその 
 +  つゐてにおほくの盗人ともみな逃さりぬ獄の司空に物のなりけれは 
 +  いててみるに金の色したる僧の光をはなちたるか大さ丈六なる空より 
 +  飛来りて獄の門を踏破てこめられたる天竺の僧を取て行をと 
 +  なりけれはこのよしを申に御門いみしくおちおそり給けりとなん 
 +  其時にわたらんとしける仏法世くたりての漢にはわたりけるなり/下108オy469
  
-其時に、わたらんとしける仏法、世くだりての漢にはわたりけるなり。 


text/yomeiuji/uji195.1413180126.txt.gz · 最終更新: 2014/10/13 15:02 by Satoshi Nakagawa