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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka08-01 [2018/01/08 15:36] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka08-01 [2018/01/08 15:41] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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范蠡、越王勾践に仕へて、世の政を行ひけり。呉王夫差と戦(いくさ)を争ふほど数十年、心を一つにして、会稽の恥を清めてけり。 | 范蠡、越王勾践に仕へて、世の政を行ひけり。呉王夫差と戦(いくさ)を争ふほど数十年、心を一つにして、会稽の恥を清めてけり。 | ||
- | 国を授けけれども、受け取らずして、閑かに世をわたらむとする。勾践、ねむごろに惜しめども、しひて去りぬ。人をやりて留むれども、「われ、君のために忠深かりき((「忠深かりき」は、底本「忠カカリキ」。))。暇(いとま)を賜はらむを報いとせむ」と言ひて、つひに帰らず。湖上に舟を浮べて、舟の内に、閑かに世をわたりて、心のままに遊びけり。 | + | 国を授けけれども、受け取らずして、閑かに世をわたらむとする。勾践、ねむごろに惜しめども、しひて去りぬ。人をやりて留むれども、「われ、君のために忠深かりき((「忠深かりき」は、底本「忠カカリキ」。書陵部本により訂正。))。暇(いとま)を賜はらむを報いとせむ」と言ひて、つひに帰らず。湖上に舟を浮べて、舟の内に、閑かに世をわたりて、心のままに遊びけり。 |
勾践、昔の忠のむなしかるべきことを憂へて、会稽山を給ひけり。後に陶に行きて、朱公と言へり。陶は天下の最中なるかゆゑに、商ひに便ありけり。その利、十九年の中に、三度(みたび)千金をそなへけり。再びは別ちて、貧しき友、親しき縁(ゆかり)にぞ与へける。 | 勾践、昔の忠のむなしかるべきことを憂へて、会稽山を給ひけり。後に陶に行きて、朱公と言へり。陶は天下の最中なるかゆゑに、商ひに便ありけり。その利、十九年の中に、三度(みたび)千金をそなへけり。再びは別ちて、貧しき友、親しき縁(ゆかり)にぞ与へける。 | ||
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- | 范蠡泛湖 | + | 范蠡泛湖 范蠡越王句践ニツカヘテヨノ政ヲ/ヲコナヒケリ呉王夫(フ)差(サト)イクサヲ |
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- | 湖上に舟をうかへて舟の内にしつかによをわたりて心のままに | + | 湖上ニ舟ヲウカヘテ舟ノ内ニシツカニヨヲワタリテ心ノママニ |
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- | 会稽山を給ひけり後に陶にゆきて朱公と云へり陶は | + | 会稽山ヲ給ヒケリ後ニ陶ニユキテ朱公ト云ヘリ陶ハ |
- | 天下の最中なるかゆへにあきなひに便ありけりその利 | + | 天下ノ最中ナルカユヘニアキナヒニ便アリケリソノ利 |
- | 十九年の中にみたひ千金をそなへけりふたたひはわかち | + | 十九年ノ中ニミタヒ千金ヲソナヘケリフタタヒハワカチ |
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- | 老子は漢武帝の時は東方朔と云ひ文帝の時は | + | 老子ハ漢武帝ノ時ハ東方朔ト云ヒ文帝ノ時ハ |
- | 河上公と云ひ斉の時は陶朱公と云越時范蠡と云へり | + | 河上公ト云ヒ斉ノ時ハ陶朱公ト云越時范蠡ト云ヘリ |
- | 漢高祖の時蕭何と云ひ周の時大公望と云尭の時は | + | 漢高祖ノ時蕭何ト云ヒ周ノ時大公望ト云尭ノ時ハ |
- | 四獄と云黄帝時風詔と云伏羲の時は勾亡と | + | 四獄ト云黄帝時風詔ト云伏羲ノ時ハ勾亡ト |
- | 云へりすへて万八千歳をかさねたり/d2-3r | + | 云ヘリスヘテ万八千歳ヲカサネタリ/d2-3r |
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text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka08-01.txt · 最終更新: 2018/01/08 15:41 by Satoshi Nakagawa