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text:chomonju:s_chomonju298 [2020/04/13 13:23] – 作成 Satoshi Nakagawatext:chomonju:s_chomonju298 [2020/04/13 13:27] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 宇佐大宮司((宇佐神宮の宮司の長。底本「宇治大宮司」。諸本により訂正。))なにがしとかや、癩病(らいびやう)を受けたる((「うけたる」は底本「うけとる」。諸本により訂正。))よし聞こえありて、一門の者ども、改補(かいほ)せらるべきよし、訴へ申しければ、大宮司、馳せ上りて、医師に見せられて実否(じつぷ)を定めらるべきよし、奏し侍りければ、和気・丹波のむねとある輩(ともがら)に御尋ねありけり。中原貞説も、同じく召しに応じて、御尋ねにあづかりけり。 宇佐大宮司((宇佐神宮の宮司の長。底本「宇治大宮司」。諸本により訂正。))なにがしとかや、癩病(らいびやう)を受けたる((「うけたる」は底本「うけとる」。諸本により訂正。))よし聞こえありて、一門の者ども、改補(かいほ)せらるべきよし、訴へ申しければ、大宮司、馳せ上りて、医師に見せられて実否(じつぷ)を定めらるべきよし、奏し侍りければ、和気・丹波のむねとある輩(ともがら)に御尋ねありけり。中原貞説も、同じく召しに応じて、御尋ねにあづかりけり。
  
-おのおの白𤺺((「𤺺」はやまいだれに壇のつくり。癩病ではないという診断結果。))といふ病のよしを奏しけり。療治すべきよしの勘文を奉るべきよし、仰せ下されければ、面々にまかり出でて、注(しる)して参らすべきよし申しけるに、貞説申けるは、「非重代の身にて、一巻の文書のたくはへなし。知りて侍るほどのことは、当座にて勘(かんが)へ申すべし」とて、すなはち注し申しけり。もろもろの医書ども、みなことごとく引き載せて、ゆゆしく注し申したりければ、叡感ありて、申し受くるにしたがひて、和気の姓をはせける。後には諸陵正になりて、子孫今に絶えず。+おのおの白𤺺((「𤺺」はやまいだれに壇のつくり。癩病ではないという診断結果。))といふ病のよしを奏しけり。療治すべきよしの勘文を奉るべきよし、仰せ下されければ、面々にまかり出でて、注(しる)して参らすべきよし申しけるに、貞説申けるは、「非重代の身にて、一巻の文書のたくはへなし。知りて侍るほどのことは、当座にて勘(かんが)へ申すべし」とて、すなはち注し申しけり。もろもろの医書ども、みなことごとく引き載せて、ゆゆしく注し申したりければ、叡感ありて、申し受くるにしたがひて、和気の姓をはせける。後には諸陵正になりて、子孫今に絶えず。
  
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text/chomonju/s_chomonju298.1586751783.txt.gz · 最終更新: 2020/04/13 13:23 by Satoshi Nakagawa