text:chomonju:s_chomonju262
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text:chomonju:s_chomonju262 [2020/04/02 16:14] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju262 [2020/04/02 16:15] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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季通((藤原季通))の言はれけるは、非管絃者は口惜しきこと。 | 季通((藤原季通))の言はれけるは、非管絃者は口惜しきこと。 | ||
- | 堀河院((堀河天皇))の御時、平調(ひやうでう)にて御遊ありしに、物の音よくしみて、やうやく暁に及ぶに、「五常楽急、百反に及べば、草木も舞ふなるものを。あるべし」とて、あそばされ侍りしに、五十反ばかりにて天明けければ、時元((豊原時元))、排(おしひら)きて見るに、庭樹の動くを見て、「さて舞ふめるは」と申しけるを、「めでたき心ばせかな」と人々言ひて感じ思ひけるに、顕雅卿((源顕雅))、いまだ殿上人にて、無能にてその座に候ふだにかたはらいたきに、奏していはく、「あれは風の吹き候へば動くに侍り」と申したりけるに、満座笑ひけり。 | + | 堀河院((堀河天皇))の御時、平調(ひやうでう)にて御遊ありしに、物の音よくしみて、やうやく暁に及ぶに、「五常楽の急、百反に及べば、草木も舞ふなるものを。あるべし」とて、あそばされ侍りしに、五十反ばかりにて天明けければ、時元((豊原時元))、排(おしひら)きて見るに、庭樹の動くを見て、「さて舞ふめるは」と申しけるを、「めでたき心ばせかな」と人々言ひて感じ思ひけるに、顕雅卿((源顕雅))、いまだ殿上人にて、無能にてその座に候ふだにかたはらいたきに、奏していはく、「あれは風の吹き候へば動くに侍り」と申したりけるに、満座笑ひけり。 |
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text/chomonju/s_chomonju262.1585811660.txt.gz · 最終更新: 2020/04/02 16:14 by Satoshi Nakagawa