text:chomonju:s_chomonju141
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text:chomonju:s_chomonju141 [2020/02/20 21:22] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju141 [2020/02/20 21:23] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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天暦の御時、橘直幹が民部大輔を望み申しける申文を、草をばみづから書きて、小野道風に清書せさせけり。御門((村上天皇))、叡覧ありければ、「依人而異事。雖似偏頗代天而授官。誠懸運命。(人に依りて事を異にす。偏頗に似たりといへども天に代りて官を授く。誠に運命に懸る。)」など、述懐の言葉を書きすぐせるによりて、御気色悪しかりけり。 | 天暦の御時、橘直幹が民部大輔を望み申しける申文を、草をばみづから書きて、小野道風に清書せさせけり。御門((村上天皇))、叡覧ありければ、「依人而異事。雖似偏頗代天而授官。誠懸運命。(人に依りて事を異にす。偏頗に似たりといへども天に代りて官を授く。誠に運命に懸る。)」など、述懐の言葉を書きすぐせるによりて、御気色悪しかりけり。 | ||
- | 人、これを恐れ思ふところに、その後、内裏の焼亡(ぜうまう)ありて、にはかに中院へ御幸(みゆき)せさせ給ひけるに、代々の御わたりもの、御倚子(ごいし)・時簡(ときのふだ)・玄象'げんじやう)・鈴鹿、以下持(も)て参りたるを御覧じて、「直幹が申文は取り出でたるや」と御尋ねありける、時の人、いみじきことにぞ申しける。 | + | 人、これを恐れ思ふところに、その後、内裏の焼亡(ぜうまう)ありて、にはかに中院へ御幸(みゆき)せさせ給ひけるに、代々の御わたりもの、御倚子(ごいし)・時簡(ときのふだ)・玄象(げんじやう)・鈴鹿、以下持(も)て参りたるを御覧じて、「直幹が申文は取り出でたるや」と御尋ねありける、時の人、いみじきことにぞ申しける。 |
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text/chomonju/s_chomonju141.txt · 最終更新: 2020/02/20 21:23 by Satoshi Nakagawa