text:chomonju:s_chomonju100
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text:chomonju:s_chomonju100 [2020/02/01 22:26] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju100 [2020/02/01 22:27] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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- | 建久のころ、月輪(つきのわ)の入道殿((九条兼実))、摂籙にて、公事どもおこし行はれけるに、「近代、節会なども、上達部物を食はぬこと、いはれなきことなり。古きにまかすべき」よし、沙汰ありけるに、三条左大臣入道((藤原実房))の内弁の時、たつ((未詳。底本「きつイ」と傍注。))に取りて召し給ひたりけるを、「職者のし給ふことなれば、やうぞ侍らん」とや思はれけん、諸人みな同じ物を食せられけり。次にまた、内弁、搗栗(かちぐり)を取りて召すよしして、懐中し給ひければ、人々みな、また同じ体(てい)とせられけり。 | + | 建久のころ、月輪(つきのわ)の入道殿((九条兼実))、摂籙にて、公事どもおこし行はれけるに、「近代、節会なども、上達部、物を食はぬこと、いはれなきことなり。古きにまかすべき」よし、沙汰ありけるに、三条左大臣入道((藤原実房))の内弁の時、たつ((未詳。底本「きつイ」と傍注。))に取りて召し給ひたりけるを、「職者のし給ふことなれば、やうぞ侍らん」とや思はれけん、諸人みな同じ物を食せられけり。次にまた、内弁、搗栗(かちぐり)を取りて召すよしして、懐中し給ひければ、人々みな、また同じ体(てい)とせられけり。 |
殿下((九条兼実))、立ちのぞかせ給ひて、「何となく内弁のせらるることを、『かかるべき式ぞ』と心得て人々まねぶこと見苦し」とて、その後この沙汰とまりにけり。 | 殿下((九条兼実))、立ちのぞかせ給ひて、「何となく内弁のせらるることを、『かかるべき式ぞ』と心得て人々まねぶこと見苦し」とて、その後この沙汰とまりにけり。 |
text/chomonju/s_chomonju100.1580563576.txt.gz · 最終更新: 2020/02/01 22:26 by Satoshi Nakagawa