text:chomonju:s_chomonju056
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text:chomonju:s_chomonju056 [2020/01/19 19:20] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju056 [2020/01/27 17:22] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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摂津国に清澄寺といふ山寺あり。村人は「きよし寺」とぞ申し侍る。その寺に、慈心房尊恵といふ老僧ありけり。もとは叡山((比叡山延暦寺))の学徒なりけり。多年法華の持者なり。住山を厭(いと)ひて、道心を発(おこ)して、この所に来たりて年を送りければ、人みな帰依けり。 | 摂津国に清澄寺といふ山寺あり。村人は「きよし寺」とぞ申し侍る。その寺に、慈心房尊恵といふ老僧ありけり。もとは叡山((比叡山延暦寺))の学徒なりけり。多年法華の持者なり。住山を厭(いと)ひて、道心を発(おこ)して、この所に来たりて年を送りければ、人みな帰依けり。 | ||
- | 承安二年七月十六日、脇息に寄りかかりて、法華経を読み奉りけるほどに、夢ともなくうつつともなくて、白張(しらはり)((「白張」は底本「白帳」。諸本により訂正。))に立烏帽子着たる男の、藁沓履きたるが、立文(たてぶみ)を持ちて来たれり。尊恵、「あれはいづくよりの人ぞ」と問ひければ、「炎魔王宮((閻魔大王の宮殿。))よりの御使なり。請文(うけぶみ)候ふ」とて立文を尊恵に取らせければ、披(ひら)き見るに、 | + | 承安二年七月十六日、脇息に寄りかかりて、法華経を読み奉りけるほどに、夢ともなくうつつともなくて、白張(しらはり)((「白張」は底本「白帳」。諸本により訂正。))に立烏帽子着たる男の、藁沓履きたるが、立文(たてぶみ)を持ちて来たれり。尊恵、「あれはいづくよりの人ぞ」と問ひければ、「炎魔王宮((閻魔王宮))よりの御使なり。請文(うけぶみ)候ふ」とて立文を尊恵に取らせければ、披(ひら)き見るに、 |
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