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text:chomonju:s_chomonju007 [2015/01/13 13:53] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:chomonju:s_chomonju007 [2020/01/12 23:31] (現在) – Satoshi Nakagawa | ||
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- | 古今著聞集 神祇第一 | + | [[index.html|古今著聞集]] 神祇第一 |
====== 7 一条院の御時上総守時重といふ人あり。千部の法華経読誦の願・・・ ====== | ====== 7 一条院の御時上総守時重といふ人あり。千部の法華経読誦の願・・・ ====== | ||
===== 校訂本文 ===== | ===== 校訂本文 ===== | ||
- | 一条院の御時、上総守時重といふ人あり。千部の法華経読誦の願、心中に深かりけれども、身貧しくして、僧一人語らふべき計(はからひ)なし。思ひかねて、日吉社に詣でて、二心なく祈り申しけるに、神感ありて、はからざるに上総守になりにけり。任国の最前の得分をもて、千部の経を始めてけり。 | + | 一条院((一条天皇))の御時、上総守時重((藤原時重))といふ人あり。千部の法華経読誦の願、心中に深かりけれども、身貧しくして、僧一人語らふべき計(はからひ)なし。思ひかねて、日吉社に詣でて、二心なく祈り申しけるに、神感ありて、はからざるに上総守になりにけり。任国の最前の得分をもて、千部の経を始めてけり。 |
其夜の夢に、貴僧枕に来て云はく、「善哉(よきかな)、善哉。汝、一乗の転読企つることを」とて、感涙を流しておはしましけり。時重、「かく仰せられ候ふは、誰にて御座候ふぞ」と、尋ね申しければ、貴僧、「我は一乗の守護、十禅師なり」と答へさせ給ひて、歌をなん詠じ給ひける。 | 其夜の夢に、貴僧枕に来て云はく、「善哉(よきかな)、善哉。汝、一乗の転読企つることを」とて、感涙を流しておはしましけり。時重、「かく仰せられ候ふは、誰にて御座候ふぞ」と、尋ね申しければ、貴僧、「我は一乗の守護、十禅師なり」と答へさせ給ひて、歌をなん詠じ給ひける。 | ||
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はなれ候へきと申けれは | はなれ候へきと申けれは | ||
極楽の道のしるへは身をさらぬ心ひとつのなをき成けり/s13l | 極楽の道のしるへは身をさらぬ心ひとつのなをき成けり/s13l | ||
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さて帰らせ給けるか立かへりて又詠せさせ給ける | さて帰らせ給けるか立かへりて又詠せさせ給ける | ||
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無常をさとるへきよしをおはりにはしめしてさり給 | 無常をさとるへきよしをおはりにはしめしてさり給 | ||
にけりあはれにたうときこと也/s14r | にけりあはれにたうときこと也/s14r | ||
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text/chomonju/s_chomonju007.1421124806.txt.gz · 最終更新: 2015/01/13 13:53 by Satoshi Nakagawa