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- | 古今著聞集 神祇第一 | + | [[index.html|古今著聞集]] 神祇第一 |
====== 2 内侍所は、昔は清涼殿に定め置き参らせられたりけるを・・・ ====== | ====== 2 内侍所は、昔は清涼殿に定め置き参らせられたりけるを・・・ ====== | ||
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其日御記云、天徳四年九月二十四日申剋、重光朝臣((源重光))来たりて、申して云はく、火気頗る消罷(やみ)て、温明殿に到りて、之を求むるに、瓦上に鏡一面在り。其の鏡八寸、頭(かしら)に一の瑕(かけ)有りと雖とも、円規甚だ以て分明なり。露(あらはれ)出て破れたる瓦の上に俯す。之を見る者の驚(おどろか)ず云ふ無し。 | 其日御記云、天徳四年九月二十四日申剋、重光朝臣((源重光))来たりて、申して云はく、火気頗る消罷(やみ)て、温明殿に到りて、之を求むるに、瓦上に鏡一面在り。其の鏡八寸、頭(かしら)に一の瑕(かけ)有りと雖とも、円規甚だ以て分明なり。露(あらはれ)出て破れたる瓦の上に俯す。之を見る者の驚(おどろか)ず云ふ無し。 | ||
- | 或((底本「式」))御記、かくのごとし。小野宮殿の事見えず。おぼつかなきことなり。 | + | 或御記、かくのごとし。小野宮殿の事見えず。おぼつかなきことなり。 |
寛弘の焼亡には焼け給ひたりけれど、少しも欠けさせ給はざりけり。その時の公卿勅使、行成卿((藤原行成))なり。宸筆の宣命は、この御時始まれり。 | 寛弘の焼亡には焼け給ひたりけれど、少しも欠けさせ給はざりけり。その時の公卿勅使、行成卿((藤原行成))なり。宸筆の宣命は、この御時始まれり。 | ||
行 28: | 行 28: | ||
とて内侍所にさためられたる方をは板敷をたかく | とて内侍所にさためられたる方をは板敷をたかく | ||
しきあけられたりけるとそ天徳内裏焼亡に/s9l | しきあけられたりけるとそ天徳内裏焼亡に/s9l | ||
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神鏡みつから飛出給て南殿の桜木にかからせ | 神鏡みつから飛出給て南殿の桜木にかからせ | ||
行 37: | 行 39: | ||
申云火気頗消罷到温明殿求之瓦上在鏡一面 | 申云火気頗消罷到温明殿求之瓦上在鏡一面 | ||
其鏡八寸頭雖有一瑕円規甚以分明露出俯破瓦 | 其鏡八寸頭雖有一瑕円規甚以分明露出俯破瓦 | ||
- | 上見之者無不驚式御記かくのことし小野宮 | + | 上見之者無不驚或御記かくのことし小野宮 |
殿の事みえすおほつかなき事也寛弘の焼 | 殿の事みえすおほつかなき事也寛弘の焼 | ||
亡にはやけ給たりけれと少しもかけ(闕)させ給さりけり/s10r | 亡にはやけ給たりけれと少しもかけ(闕)させ給さりけり/s10r | ||
行 48: | 行 50: | ||
たり神威いつとてもなしかはかはり給へきなれとも世 | たり神威いつとてもなしかはかはり給へきなれとも世 | ||
のくたりゆくさまをしめし給ふゆ人にかく成ゆかせ | のくたりゆくさまをしめし給ふゆ人にかく成ゆかせ | ||
- | 給にこそ今行末いかならんかなしむへき事也/s10r | + | 給にこそ今行末いかならんかなしむへき事也/s10l |
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text/chomonju/s_chomonju002.txt · 最終更新: 2020/01/06 21:18 by Satoshi Nakagawa