目次

平家物語

へいけものがたり

成立

鎌倉時代軍記物語。

作者は『徒然草』226段に「信濃前司行長」が作り、「生仏」という盲目の法師に語らせたとあるが、諸本の異同が大きく成立の過程は複雑で、一人には限定できない。

内容

平家六代、約60年間の歴史を語る軍記物語。諸本によって違うが、現在『平家物語』といった場合、覚一本の12巻+灌頂の巻という構成が一般的。

平家の隆盛と滅亡を通し、全体に無常観・因果応報の仏教思想の影響が強く見られる。

覚一本の章段

  1. 巻一 : 祇園精舎・殿上闇討・鱸・禿髪・吾身栄華・祇王・二代后・額打論・清水寺炎上・東宮立・殿下乗合・鹿谷・俊寛沙汰 鵜川軍・願立・御輿振・内裏炎上
  2. 巻二 : 座主流・一行阿舎梨之沙汰・西光被斬・小教訓・少将乞請・教訓状・峰火之沙汰・大納言流罪・阿古屋之松・大納言死去・徳大寺厳島詣・山門滅亡 堂衆合戦・山門滅亡・善光寺炎上・康頼祝言・卒塔婆流・蘇武
  3. 巻三 : 赦文・足摺・御産・公卿揃・大塔建立・頼豪・少将都帰・有王・僧都死去・颷・医師問答・無文・灯炉之沙汰・金渡・法印問答・大臣流罪・行隆之沙汰・法王被流・城南之離宮
  4. 巻四 : 厳島御幸・還御・源氏揃・鼬之沙汰・信連・競・山門牒状・南都牒状・永僉議・大衆揃・橋合戦・宮御最期・若宮出家・通乗之沙汰・鵼・三井寺炎上
  5. 巻五 : 都遷・月見・物怪沙汰・早馬・朝的揃・咸陽宮・文学荒行・勧進帳・文学(文覚)被流・福原院宣・富士川・五節之沙汰・都帰・奈良炎上
  6. 巻六 : 新院崩御・紅葉・葵前・小督・廻文・飛脚到来・入道死去・築島・慈心房・祇園女御・嗄声・横田河原合戦
  7. 巻七 : 清水冠者・北国下向・竹生島詣・火打合戦・願書・倶利伽羅落・篠原合戦・真盛・還亡・木曾山門牒状・返牒・平家山門連署・主上都落・惟盛都落・聖主臨幸・忠教都落・経正都落・青山之沙汰・一門都落・福原落
  8. 巻八 : 山門御幸・名虎・緒環・太宰府落・征夷将軍院宣・猫間・水島合戦・瀬尾最期・室山・鼓判官・法住寺合戦
  9. 巻九 : 生ズキ(生食)の沙汰・宇治川先陣・河原合戦・木曾最期・樋口被討罰・六ヶ度軍・三草勢揃・三草合戦・老馬・一二之懸・二度之懸・坂落・越中前司最期・忠教(忠度)最期・重衡生捕・敦盛最期・知章最期・落足・小宰相身投
  10. 巻十 : 首渡・内裏女房・八島院宣・請文・戒文・海道下・千手前・高野巻・維盛出家・熊野参詣・維盛入水・三日平氏・藤戸・大嘗会之沙汰
  11. 巻十一 : 逆櫓・勝浦・嗣信最期・那須与一・弓流・志渡合戦・鶏合 檀浦合戦・遠矢・先帝身投・能登殿最期・内侍所都入・剣・一門大路渡・鏡・文之沙汰・副将被斬・腰越・大臣殿被斬・重衡被斬
  12. 巻十二 : 大地震・紺掻之沙汰・平大納言被流・土佐房被斬・判官都落・吉田大納言沙汰・六代・泊瀬六代・六代被斬
  13. 灌頂巻 : 女院出家・大原入・大原御幸・六道之沙汰・女院死去

諸本

平家物語の諸本は極めて多い。その系統は大きく読み本系と語り物系に分けられる。

なお、一般に『平家物語』として、注釈されているのは語り物系の覚一本が多い。

読み本系

読み物として発展した平家物語。説話を多く増補している。読み本系はさらに広本系と略本系に分けられる。

広本

略本

語り物系

語り物系は琵琶法師によって伝えられた諸本であり、さらに琵琶法師の流派に よって、一方流と八坂流に分けられる。

一方流

12巻+灌頂の巻

八坂流

12巻

その他の諸本

天草本

天草本平家物語はファビアンによって、ポルトガル人宣教師の日本語教科書と して作られたものである。口語、ローマ字で書かれており、当時の口語を知る 日本語研究資料として欠かすことのできない本となっている。

現存するのは大英図書館本のみ。

【影印】勉誠社文庫8『天草版平家物語』

譜本

#すみません、まだ出来損ないですが・・・

参考文献

注釈書

#すでに上にあるもの以外の注釈書です。

#ぜんぜん足りないと思うので、書き足してください。

解説など

研究書

論文集など

参考サイト