やまとものがたり
平安時代中期に成立したと考えられているが具体的な成立時期は特定されておらず、天暦5年(951)成立、以後一条天皇のころまでに増補されたという説が有力。
作者についても在原滋春、花山院、敦慶親王侍女大和などの説があるが、定説はない。
題名の大和に関しても、日本を意味する大和とする説、伊勢物語の伊勢にたいする大和とする説、作者名とする説、和歌を意味するとする説などがあるが、これも定説をみない。
173段からなる歌物語だが、同ジャンルの伊勢物語や平中物語のような統一された主人公はいない。
147段を中心として、前半部と後半部に分けられ、前半部は主に平安貴族や女房の和歌説話を、後半部では古歌、古伝説を素材とする。