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- 1の54 伊勢物語にいはく右近馬場のひをりの日・・・
- 十訓抄 第一 人に恵を施すべき事 ====== 1の54 伊勢物語にいはく右近馬場のひをりの日・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 伊勢物語((『伊勢物語』99段))にいはく、 右近馬場のひをりの日、向へに立ちたりける車に、女の顔の下簾(したすだれ)より透きて、ほのかに見えければ、中将なりける男の詠みてやりける、 見ずもあらず見も... くはしくは、かの口伝((『俊頼髄脳』を指す。))に見ゆ。 ===== 翻刻 ===== 伊勢物語云右近馬場ノヒヲリノ日ムカヘニ立タリケ ル車ニ、女ノカホノシタスタレヨリスキテホノカニ見エケ
- 10の32 後三条天皇の御宇ある武士伊勢斎宮寮の中にて狐を射たるによりて・・・
- 十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事 ====== 10の32 後三条天皇の御宇ある武士伊勢斎宮寮の中にて狐を射たるによりて・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 後三条天皇の御宇、ある武士、伊勢斎宮寮の中にて、狐を射たるによりて、大神宮より訴(うた)へありて、奏聞に及ぶあひだ、杖儀((底本「伏... 将などは、ことに惜しまれけるとかや。 ===== 翻刻 ===== 卅一後三条天皇御宇或武士伊勢斎宮寮ノ中ニテ狐ヲ射タ ルニヨリテ、太神宮ヨリウタヘアリテ奏聞ニ及フ間、伏儀
- 10の41 伊勢物語には二条后につかふまつる男同じく女の候ふを・・・
- 十訓抄 第十 才芸を庶幾すべき事 ====== 10の41 伊勢物語には二条后につかふまつる男同じく女の候ふを・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 『伊勢物語』には、二条后((藤原高子))につかふまつる男、同じく女の候ふを、見かはして、よばひけれども、つ... あひにけり。 かくはいへども、まことは后のこととぞ。 ===== 翻刻 ===== 四十四伊勢物語ニハ二条后ニツカフマツル男同ク女ノサフラフ ヲ見カハシテヨハヒケレトモ、ツレナカ
- 1の18 後徳大寺左大臣小侍従と聞こえし歌詠みに通ひ給ひけり・・・
- てこそ使ひにははからひつれ」とて、後に知る所など賜びたりけるとなむ。 上東門院((藤原彰子))の、伊勢大輔が墨磨るほどに、「今日九重に」といふ歌を案じ得、一間(ひとま)を居ざり出づるあひだに、「こはえも... ケリ、サテコソ 使ニハハカラヒツレトテ、後ニシル所ナトタヒタリケルトナ ム、上東門院ノ 伊勢大輔カ墨スル程ニ今日九重ニト云フ哥ヲ案シ 得、ヒト間ヲ居サリ出ル間ニ、コハエモイハヌ花ノ色カナノ
- 1の21 同じ院雪いとおもしろく降りたりける冬の朝・・・
- これのみならず、そのころは源氏物語作れる紫式部、ならびに赤染衛門・和泉式部・小式部内侍・小大君・伊勢大輔・出羽弁・小弁・馬内侍・高内侍((高階貴子))・江侍従・乙侍従((相模))・新宰相・兵衛内侍・中... ケリ、是ノミナラス其頃ハ源氏物 語作レル紫式部 并 赤染衛門 和泉式部 小式部内侍 小大君 伊勢大輔 出羽辧 小弁 馬内侍 高内侍 江侍従 乙侍従 新宰相 兵衛内侍 中将ナト云テヤサシキ女
- 7の30 七条の南室町の東一町は祭主三位輔親が家なり・・・
- 、「かかることこそ侍れ」と告げめぐらして、「明日の辰の時ばかりに渡て、聞かせ給へ」と、ふれまはして、伊勢武者の宿直(とのゐ)してありけるに、「かかることのあるぞ。人々渡りて聞かんずるに、あなかし、鶯、打ち... ソ侍レト告メクラ シテ、アスノ辰ノ時ハカリニ渡テ聞セ給ヘト、フレマハシ テ、伊勢武者ノトノヰシテ有ケルニ、カカル事ノアルソ、 人々渡テ聞ンスルニ、アナカシ鶯打ナントシテ
- 10の62 天治二年八月十日あまりのころ伏見斎宮野宮におはしましけるに・・・
- 、女房、箏を爪音(つまおと)やさしくかき合せて、御裳濯川(みもすそがは)の御出立もむげに近くなりぬ。伊勢まで、誰か思ひおこすべき。うち乱れたる御遊びは、今夜こそ」と言ひ出でたれば、「まことにしかるべきこと... 箏ヲツマオトヤサシクカキ合テ、ミモスソ川ノ御出立モ無/k106 下ニ近ク成ヌ、伊勢マテ誰カ思ヲコスヘキ、打乱タル御 遊ハ今夜コソト云出タレハ、マコトニ可然事トテ、右大