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- 第93段 これもおなじ中納言斎宮の皇女を年ごろよばひ奉りて・・・
- ))、斎宮の皇女((醍醐天皇皇女雅子内親王))を年ごろよばひ奉りて、今日明日逢ひなんとしけるほどに、伊勢の斎宮の御占(みうら)にあひ給ひにけり。「いふかひなく、口惜し」と、男、思ひ給ひけり。 さて、詠みて奉り給ひける。 伊勢の海の千尋(ちひろ)の浜に拾ふとも今はかひなく思ほゆるかな となんありける。 ===== 翻刻 ... これもおなし中納言さい宮の御こをとし ころよはひたてまつりてけふあす あひなんとしけるほとに伊勢のさい 宮の御うらにあひたまひにけり いふかひなくくちをしとおとこおもひ/d46r たまひけりさてよみてたてまつり たまひける 伊勢のうみのちひろのはまにひ ろふともいまはかひなくおもほゆるかな となんありける/d46l
- 第36段 伊勢の国に先の斎宮おはしましける時に・・・
- 大和物語 ====== 第36段 伊勢の国に先の斎宮おはしましける時に・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 伊勢の国に、先の斎宮((宇多天皇皇女柔子親王))おはしましける時に、堤の中納言((藤原兼輔))、勅使にて下り給ひ... 宮のおはします所は、「多気(たけ)のみやこ」となんいひける。 ===== 翻刻 ===== 伊勢のくににさきの斎宮おはしまし けるときにつつみの中納言勅使にて くたり給て/d20r
- 第39段 伊勢の守もろみちのむすめを正明の中将の君にあはせたりける時に・・・
- 大和物語 ====== 第39段 伊勢の守もろみちのむすめを正明の中将の君にあはせたりける時に・・・ ====== ===== 校訂本文 ===== 伊勢の守もろみちのむすめを、正明(ただあきら)の中将((源正明))の君にあはせたりける時に、そこなりける... ===== 翻刻 ===== 源正明式部卿與史親王女左近中将天暦元年参議 天徳二年薨 伊勢のかみもろみちのむすめをたた あきらの中将の君にあはせたりける時 にそこなりけるうなひをは右
- 第143段 昔、在中将の御息子在次滋春の君といふが妻なる人なんありける・・・
- は山蔭の中納言((藤原山蔭))の御姫(みひめ)にて、五条の御(ご)となんいひける。かの在次君の妹の、伊勢の守の妻にていますかりけるが御(み)もとに行きて、守の召人(めしうど)にてありけるを、この妻のせうと... ける女はやまかけの中納言のみひめ にて五条のことなんいひけるか のさいしきみのいもうとの伊勢のかみのめにていますかりけるか みもとにいきてかみのめしうとにて ありけるをこのめのせうとの
- 第147段 昔津の国に住む女ありけりそれをよばふ男二人なんありける・・・
- 宮((宇多天皇皇后藤原温子))に人の奉りたりければ、これがうへを、みな人々、かの人に代りて詠みける。伊勢の御息所((以下、底本「このものがたり諸本皆同、仍これをとどめず」と続くが、書き入れが混入したもの。... のみやに ひとのたてまつりたりけれはこれか うへをみなひとひとかの人にかはりて よみける伊勢のみやすところこのもの かたり諸本皆同仍これをととめす おとこのこころにか(て一本)はりて
- 三条西家旧蔵伝為氏筆本『大和物語』
- 典全書『大和物語』(南波浩・朝日新聞社・昭和36年10月) * 日本古典文学大系『竹取物語 伊勢物語 大和物語』(今井源衛 阿部俊子・岩波書店・昭和32年10月) ===== 履歴 =====
- 第1段 亭子の御門今はおりゐさせ給ひなんとするころ・・・
- 子の御門((宇多天皇))、今はおりゐさせ給ひなんとするころ、弘徽殿((底本「こうひてん」))の壁に、伊勢の御(ご)の書き付けける。 別るれどあひも惜しまぬ百敷(ももしき)を見ざらむことの何か悲しき