text:uchigiki:uchigiki21
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| text:uchigiki:uchigiki21 [2018/05/20 13:00] – [翻刻] Satoshi Nakagawa | text:uchigiki:uchigiki21 [2026/01/09 12:00] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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| 昔、天竺の人、宝買ひに銭(ぜに)五千巻を子に持たせて遣る。大河の辺(ほとり)に、銭を持て行く。船に乗りたる人、来たる。 | 昔、天竺の人、宝買ひに銭(ぜに)五千巻を子に持たせて遣る。大河の辺(ほとり)に、銭を持て行く。船に乗りたる人、来たる。 | ||
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| 船の方を見れば、亀五つ、頸(くび)を捧(ささ)げてあり。銭持たる人、立ち留りて、「そは何亀ぞ」と問へば、「害(ころ)して物にせむとするなり」と言へば、銭持たる人、「その亀買はむ」と言へば、船の人いはく、「いみしき大切のことにて、釣り得たる亀なり。されば、いみじき値(あたひ)なりとも、え売り奉らじ。((「奉らじ」は底本「タ□マツラシ」。一字破損。文脈により補う。))」と言ふ。なほ、あながちに手をすりて、この五千巻の銭に、亀五つ買ひ取りて去る。 | 船の方を見れば、亀五つ、頸(くび)を捧(ささ)げてあり。銭持たる人、立ち留りて、「そは何亀ぞ」と問へば、「害(ころ)して物にせむとするなり」と言へば、銭持たる人、「その亀買はむ」と言へば、船の人いはく、「いみしき大切のことにて、釣り得たる亀なり。されば、いみじき値(あたひ)なりとも、え売り奉らじ。((「奉らじ」は底本「タ□マツラシ」。一字破損。文脈により補う。))」と言ふ。なほ、あながちに手をすりて、この五千巻の銭に、亀五つ買ひ取りて去る。 | ||
| - | 心に思ふやう、「わが祖(おや)の宝買ひに、隣国に遣りつる銭を、亀にかへてやみぬれば、祖いかに腹立ち給はむずらむ」と思へど、さりとてさりとて、祖のもとに帰り行かであるべきならねば、祖のもとに帰るに、道に人あひて言ふやう、「そこに銭に亀売りつる人は、ふいに((「ふいに」は底本「フ員ニ」。誤写とみて訂正。なお、[[: | + | 心に思ふやう、「わが祖(おや)の宝買ひに、隣国に遣りつる銭を、亀にかへてやみぬれば、祖いかに腹立ち給はむずらむ」と思へど、さりとてさりとて、祖のもとに帰り行かであるべきならねば、祖のもとに帰るに、道に人あひて言ふやう、「そこに銭に亀売りつる人は、ふいに((「ふいに」は底本「フ員ニ」。誤写とみて訂正。なお、[[: |
| 「この、銭を亀にかへつるよし語らむ」と思ふほどに、祖の言ふやう、「などて、この銭をば返しおこせたるぞ」と問ふ。子、答ふ、「銭、返し奉らず。銭はしかじかなり。『そのよし申さむ』とて、帰り参るなり」と言ふ。 | 「この、銭を亀にかへつるよし語らむ」と思ふほどに、祖の言ふやう、「などて、この銭をば返しおこせたるぞ」と問ふ。子、答ふ、「銭、返し奉らず。銭はしかじかなり。『そのよし申さむ』とて、帰り参るなり」と言ふ。 | ||
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| 「亀の奇あることに注(しる)したるなり」と、ある僧語りしなり。 | 「亀の奇あることに注(しる)したるなり」と、ある僧語りしなり。 | ||
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text/uchigiki/uchigiki21.1526788814.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa
