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text:towazu:towazu4-05 [2019/09/18 16:12] – 作成 Satoshi Nakagawatext:towazu:towazu4-05 [2019/09/21 16:41] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 伊豆の国三島の社(やしろ)に参りたれば、奉幣(ほうへい)の儀式は熊野参りに違(たが)はず、長筵(ながむしろ)((「長筵」は底本「なかむし」。「長虫(蛇の意)」・「長橋(ながはし)」とする説もある。))などしたるありさまも、いと神々しげなり。 伊豆の国三島の社(やしろ)に参りたれば、奉幣(ほうへい)の儀式は熊野参りに違(たが)はず、長筵(ながむしろ)((「長筵」は底本「なかむし」。「長虫(蛇の意)」・「長橋(ながはし)」とする説もある。))などしたるありさまも、いと神々しげなり。
  
-故頼朝の大将((源頼朝))し始められたりける浜の一万とかやとて、ゆゑある女房の、壺装束にて行き帰るが苦しげなるを見るにも、「わればかり物思ふ人にはあらじ」とぞ思えし。+故頼朝の大将((源頼朝))し始められたりける浜の一万とかやとて、ゆゑある女房の、壺装束にて行き帰るが苦しげなるを見るにも、「わればかり物思ふ人にはあらじ((『伊勢物語』27段「わればかり物思ふ人はまたもあらじと思へば水の下にもありけり」))。」とぞ思えし。
  
 月は宵過ぐるほどに待たれて出づるころなれば、短夜(みじかよ)の空もかねてもの憂きに、神楽とて、少女子(おとめご)が舞の手づかひも、見馴れぬさまなり。千早(ちはや)とて、袙(あこめ)のやうなる物を着て、八少女舞(やをとめまひ)((「八少女舞」は底本「はれなまい」。))とて、三・四人立ちて入り違(ちが)ひて舞ふさまも、興ありておもしろければ、夜もすがら居明かして、鳥の音にも催されて出で侍りき。 月は宵過ぐるほどに待たれて出づるころなれば、短夜(みじかよ)の空もかねてもの憂きに、神楽とて、少女子(おとめご)が舞の手づかひも、見馴れぬさまなり。千早(ちはや)とて、袙(あこめ)のやうなる物を着て、八少女舞(やをとめまひ)((「八少女舞」は底本「はれなまい」。))とて、三・四人立ちて入り違(ちが)ひて舞ふさまも、興ありておもしろければ、夜もすがら居明かして、鳥の音にも催されて出で侍りき。
text/towazu/towazu4-05.1568790765.txt.gz · 最終更新: 2019/09/18 16:12 by Satoshi Nakagawa