text:takamura:s_takamura1-12
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text:takamura:s_takamura1-12 [2022/08/29 02:10] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:takamura:s_takamura1-12 [2022/08/29 02:11] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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その日の夜さり、火をほのかにかきあげて泣き臥せり。後(あと)の方そそめきけり。火を消ちて見れば、添ひ臥す心地しけり。死にし妹(いもうと)の声にて、よろづの悲しきことを言ひて、泣く声も言ふことも、ただそれなれば、もろともに語らひて、泣く泣くさぐれば、手にも触らず、手にだに当たらず。懐(ふところ)にかき入れて、わが身のならんやうも知らず((底本「知らず」なし。諸本により訂正。))、臥さまほしきこと限りなし。 | その日の夜さり、火をほのかにかきあげて泣き臥せり。後(あと)の方そそめきけり。火を消ちて見れば、添ひ臥す心地しけり。死にし妹(いもうと)の声にて、よろづの悲しきことを言ひて、泣く声も言ふことも、ただそれなれば、もろともに語らひて、泣く泣くさぐれば、手にも触らず、手にだに当たらず。懐(ふところ)にかき入れて、わが身のならんやうも知らず((底本「知らず」なし。諸本により訂正。))、臥さまほしきこと限りなし。 | ||
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といふほどに、夜明けにければなし((「なし」は底本「なく」。諸本により訂正。))。 | といふほどに、夜明けにければなし((「なし」は底本「なく」。諸本により訂正。))。 | ||
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text/takamura/s_takamura1-12.1661706643.txt.gz · 最終更新: 2022/08/29 02:10 by Satoshi Nakagawa