text:sesuisho:n_sesuisho5-044
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text:sesuisho:n_sesuisho5-044 [2022/03/05 02:35] – [2 尊氏将軍五世の孫義政公の御時洛中洛外酒を禁じ給ふことあり] Satoshi Nakagawa | text:sesuisho:n_sesuisho5-044 [2023/08/16 17:00] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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尊氏将軍((足利尊氏))五世の孫義政公((足利義政))の御時、洛中洛外酒を禁じ給ふことあり。万阿弥とて、同朋(どうぼう)のさぶらひしが、いかがして呑みたるやらん、面(つら)もどこも赤漆(あかうるし)にて塗りたる風情なるが、御前にひざまつきたり。 | 尊氏将軍((足利尊氏))五世の孫義政公((足利義政))の御時、洛中洛外酒を禁じ給ふことあり。万阿弥とて、同朋(どうぼう)のさぶらひしが、いかがして呑みたるやらん、面(つら)もどこも赤漆(あかうるし)にて塗りたる風情なるが、御前にひざまつきたり。 | ||
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大樹、御覧じつけられ、「おのれは酒をくらうた面ぞや」と仰せあれば、「いや、あまり寒きまままかり出でざまに、焚き火にあたりてござる」と。「さあらば、ここへうせよ。かいでみん」とあり。是非なうて参りたれば、「隠れがない、熟柿(じゆくし)臭いは」と御諚(ごぢやう)の時、万阿弥、「さやうなる義もござ候ふべし。柿の木を焚き火にあたり参らせたほどに」と。 | 大樹、御覧じつけられ、「おのれは酒をくらうた面ぞや」と仰せあれば、「いや、あまり寒きまままかり出でざまに、焚き火にあたりてござる」と。「さあらば、ここへうせよ。かいでみん」とあり。是非なうて参りたれば、「隠れがない、熟柿(じゆくし)臭いは」と御諚(ごぢやう)の時、万阿弥、「さやうなる義もござ候ふべし。柿の木を焚き火にあたり参らせたほどに」と。 | ||
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text/sesuisho/n_sesuisho5-044.1646415300.txt.gz · 最終更新: 2022/03/05 02:35 by Satoshi Nakagawa