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text:sesuisho:n_sesuisho5-043p [2023/08/06 13:06] – 作成 Satoshi Nakagawatext:sesuisho:n_sesuisho5-043p [2023/08/06 13:07] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 俗云はく、「夫れ五温は仮の和合の身、従来病の器なり。六因七情なほ下戸に在り。必ずしも酒の事ならず。医家にも、『酒は風寒冷気を禦(ふせ)ぐ』と。同じく寸風離と号す。史記に、『塩食肴之将、酒百薬之長。(塩は食肴の将。酒は百薬の長)』((『漢書』食貨志。))と書けり。諺に酒塩と云ふも、是れ君臣義を正して世を保つの謂ひか。酒の辛きは能く散じ、苦きは能く下し、甘きは中に居して緩くし、淡きは溺を利して速下す。また薬剤に君臣佐使、各(おのおの)酒力を借るに功能を播(し)く。是の如くんば、無情の草木土石、酒恵に懐(なつ)く。有情として酒を慕はざる者、木石に劣る。欧陽脩は一壺を貯へて酔ひて酔翁と号し、張旭は三盃を挙げて、妄り草聖を伝ふ。此の砌(みぎ)り、相客に参り度きや」。 俗云はく、「夫れ五温は仮の和合の身、従来病の器なり。六因七情なほ下戸に在り。必ずしも酒の事ならず。医家にも、『酒は風寒冷気を禦(ふせ)ぐ』と。同じく寸風離と号す。史記に、『塩食肴之将、酒百薬之長。(塩は食肴の将。酒は百薬の長)』((『漢書』食貨志。))と書けり。諺に酒塩と云ふも、是れ君臣義を正して世を保つの謂ひか。酒の辛きは能く散じ、苦きは能く下し、甘きは中に居して緩くし、淡きは溺を利して速下す。また薬剤に君臣佐使、各(おのおの)酒力を借るに功能を播(し)く。是の如くんば、無情の草木土石、酒恵に懐(なつ)く。有情として酒を慕はざる者、木石に劣る。欧陽脩は一壺を貯へて酔ひて酔翁と号し、張旭は三盃を挙げて、妄り草聖を伝ふ。此の砌(みぎ)り、相客に参り度きや」。
  
-僧云はく、「沙弥戒経第四の過失に、『強ひて酒を飲む者は殺害を増長す』と説かれたり。夫れ飲酒に初中後有り。初めは人酒を飲む。中度は酒酒を飲む。終には酒人を飲む。所謂(いはゆる)、軽次重の三つなり。酔へば則ち無罪を濫殺す。智論((大智度論))云はく、『一切の宝の中に命を第一と為す。諸罪中に殺生を第一と為す。諸善中には殺生戒を第一と為す』と云々。涅槃経に云はく、『須く心師と為るべし。心を師と為すこと莫かれ』と。終日酔ひに沈むとも、艱難を凌(しの)ぎて酔狂に止めむ。皆自己の一心に在り。心の一法は春の野馬の如し。心を持して酒を禁ぜずんば、淳(すなほ)なること堅かるべし。+僧云はく、「沙弥戒経第四の過失に、『強ひて酒を飲む者は殺害を増長す』と説かれたり。夫れ飲酒に初中後有り。初めは人酒を飲む。中度は酒酒を飲む。終には酒人を飲む。所謂(いはゆる)、軽次重の三つなり。酔へば則ち無罪を濫殺す。智論((大智度論))云はく、『一切の宝の中に命を第一と為す。諸罪中に殺生を第一と為す。諸善中には殺生戒を第一と為す』と云々。涅槃経に云はく、『須く心師と為るべし。心を師と為すこと莫かれ』と。終日酔ひに沈むとも、艱難を凌(しの)ぎて酔狂に止めむ。皆自己の一心に在り。心の一法は春の野馬の如し。心を持して酒を禁ぜずんば、淳(すなほ)なること堅かるべし
  
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