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text:sesuisho:n_sesuisho3-012 [2021/09/18 12:46] – 作成 Satoshi Nakagawatext:sesuisho:n_sesuisho3-012 [2021/09/18 12:50] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 ある武将の裏方((「裏方」は底本「こしがた」。諸本により訂正。))に、瘧(おこり)をわづらへることあり。侍を使として医者のもとへ、「文までもなし。『女ども瘧病(ぎやへい)にいたはりぬる間、薬調合の儀頼む」と言へ」。「かしこまり候ふ」とて立ちけるが、うち忘れ、次にて、「瘧(おこり)の名は別(べち)になきか」と問ふ。「『ぎやへい』と言ふぞ」。 ある武将の裏方((「裏方」は底本「こしがた」。諸本により訂正。))に、瘧(おこり)をわづらへることあり。侍を使として医者のもとへ、「文までもなし。『女ども瘧病(ぎやへい)にいたはりぬる間、薬調合の儀頼む」と言へ」。「かしこまり候ふ」とて立ちけるが、うち忘れ、次にて、「瘧(おこり)の名は別(べち)になきか」と問ふ。「『ぎやへい』と言ふぞ」。
  
-うなづき行き、医師(くすし)に向ひ、「ぎやていの薬を」と申しけり。をかしく思ひ、「腹(はら)ぎやてい((波羅羯諦。『般若心経』の呪。))か、はらそうぎやてい((波羅僧羯諦。『般若心経』の呪。))か、忘れぬ」と言はるれば、「さること候ふ。右の脇ちと痛くて、後ふるい給ふ間、さだめてはらぎやていにて候ふべし」。「心得たり」とて、薬をつかはしたれば、本復(ほんぷく)してんげり。+うなづき行き、医師(くすし)に向ひ、「ぎやていの薬を」と申しけり。をかしく思ひ、「腹(はら)ぎやてい((波羅羯諦。『般若心経』の呪。))か、はらそうぎやてい((波羅僧羯諦。『般若心経』の呪。))か、忘れぬ」と言はるれば、「さること候ふ。右の脇ちと痛くて、後ふるい給ふ間、さだめてはらぎやていにて候ふべし」。「心得たり」とて、薬をつかはしたれば、本復(ほんぷく)してんげり。
  
 医者、武将に会うて、右の趣(おもむき)を語りけるに、「沙汰のかぎり、そいつは『観音経』((『法華経』普門品。))一部言うてあつた」と。 医者、武将に会うて、右の趣(おもむき)を語りけるに、「沙汰のかぎり、そいつは『観音経』((『法華経』普門品。))一部言うてあつた」と。
text/sesuisho/n_sesuisho3-012.1631936790.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa