text:sanboe:ka_sanboe3-21
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| text:sanboe:ka_sanboe3-21 [2024/12/15 16:01] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:sanboe:ka_sanboe3-21 [2024/12/15 16:04] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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| 施米(せまい)は古(いにしへ)よりこの月に公(おほやけ)の行はしめ給ふことなり。陸奥国(みちのくに)((前田家本「三国(三つの国)」を誤ったもの。備前・紀伊・尾張に割り当てられた。))に召せる三百石の米をもちて、四方(よも)の山にある所の、安居(あんご)のころほひの僧を訪(とぶら)ひ給ふなり。文殿(ふみどの)の人、使となりて、定まりて分かち行ふ。私の人も心をおこして、また送り施す。 | 施米(せまい)は古(いにしへ)よりこの月に公(おほやけ)の行はしめ給ふことなり。陸奥国(みちのくに)((前田家本「三国(三つの国)」を誤ったもの。備前・紀伊・尾張に割り当てられた。))に召せる三百石の米をもちて、四方(よも)の山にある所の、安居(あんご)のころほひの僧を訪(とぶら)ひ給ふなり。文殿(ふみどの)の人、使となりて、定まりて分かち行ふ。私の人も心をおこして、また送り施す。 | ||
| - | おほよそ、山寺は室(むろ)常に空し。春の蕨(わらび)はすてに老いにしかば、峰の雲にも取りがたし。秋の菓(このみ)はいまだ結ばねば、林の風にも拾ひがたし。いはんやまた、日長くして経を読むに、力疲れ、雨しきりにして、里に乞ふこと跡絶えたるに、川を渡りて送れる心ざし、思へばすでに深し。山を尋ねて施せる恩、仰げはいよいよ高し。眼にみな喜びの涙を落し、顔にはすなはち飢ゑの色を失ふ。 | + | おほよそ山寺は室(むろ)常に空し。春の蕨(わらび)はすでに老いにしかば、峰の雲にも取りがたし。秋の菓(このみ)はいまだ結ばねば、林の風にも拾ひがたし。いはんやまた、日長くして経を読むに、力疲れ、雨しきりにして、里に乞ふこと跡絶えたるに、川を渡りて送れる心ざし、思へばすでに深し。山を尋ねて施せる恩、仰げはいよいよ高し。眼にみな喜びの涙を落し、顔にはすなはち飢ゑの色を失ふ。 |
| 阿含経(あごんきやう)に、仏((釈迦如来))の時にかなへる施(ほどこし)を説き給へるに、「斎(とき)調(ととの)へらむには、僧を請じても供養せよ。後の世に必ず、わが身は行き求めぬに、物おのづから来たり集まる報ひを得(う)」とのたまへり。 | 阿含経(あごんきやう)に、仏((釈迦如来))の時にかなへる施(ほどこし)を説き給へるに、「斎(とき)調(ととの)へらむには、僧を請じても供養せよ。後の世に必ず、わが身は行き求めぬに、物おのづから来たり集まる報ひを得(う)」とのたまへり。 | ||
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