text:sanboe:ka_sanboe1-12a
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| text:sanboe:ka_sanboe1-12a [2024/08/06 17:43] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | text:sanboe:ka_sanboe1-12a [2024/08/06 17:44] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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| 大臣、驚きて王に申さく、「太子、財(たから)を尽くして人に施し、倉みなやうやく空しくなりぬ。また象を取りて賊に与へつれば、国すでに破れなむとす。なほ重く誡(いまし)め給へ」と申す。王、大きに驚き歎く。大臣申さく、「なほ太子を追ひ出でて、国の堺(さかひ)を出だしてむ。深き山に込めて、十二年を限りとせむ」と定む。王、これに随ひて、使(つかひ)を遣りて云はしむ。「象は賊(あた)をふせぐ財なり((「ふせぐ財なり」は底本「不世久時也」。前田家本は「時」を「宝」とするため、財の誤写とみて訂正。))。賊に授けつるは、国を破るなり。このこと忍びがたし。早くわが国を去りて、檀徳(だんとく)の山に行きね」と云はしめ給ふ。太子の云はく、「王、すでに衆(もろもろ)の財を免して、『意(こころ)に任せて用ゐよ』と宣ひき。『象も同じく王の財なるは、免さるる内に有るべし』と思ひて、申さずして与へつるなり。ただし、今はあへて仰せを背かじ」と申さしむ。 | 大臣、驚きて王に申さく、「太子、財(たから)を尽くして人に施し、倉みなやうやく空しくなりぬ。また象を取りて賊に与へつれば、国すでに破れなむとす。なほ重く誡(いまし)め給へ」と申す。王、大きに驚き歎く。大臣申さく、「なほ太子を追ひ出でて、国の堺(さかひ)を出だしてむ。深き山に込めて、十二年を限りとせむ」と定む。王、これに随ひて、使(つかひ)を遣りて云はしむ。「象は賊(あた)をふせぐ財なり((「ふせぐ財なり」は底本「不世久時也」。前田家本は「時」を「宝」とするため、財の誤写とみて訂正。))。賊に授けつるは、国を破るなり。このこと忍びがたし。早くわが国を去りて、檀徳(だんとく)の山に行きね」と云はしめ給ふ。太子の云はく、「王、すでに衆(もろもろ)の財を免して、『意(こころ)に任せて用ゐよ』と宣ひき。『象も同じく王の財なるは、免さるる内に有るべし』と思ひて、申さずして与へつるなり。ただし、今はあへて仰せを背かじ」と申さしむ。 | ||
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