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text:kohon:kohon026 [2016/01/21 12:33] Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon026 [2025/12/01 13:46] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 今は昔、長能(ながたう)((藤原長能))、道済(みちなり)((源道済))といふ歌詠みども、いみじう挑み交はして詠みけり。長能は蜻蛉の日記したる人の兄人(せうと)、伝はりたる歌詠み、道済、信明(さねあきら)((源信明))といひし歌詠みの孫にて、いみじく挑み交はしたるに、鷹狩の歌を二人詠みけるに、長能、 今は昔、長能(ながたう)((藤原長能))、道済(みちなり)((源道済))といふ歌詠みども、いみじう挑み交はして詠みけり。長能は蜻蛉の日記したる人の兄人(せうと)、伝はりたる歌詠み、道済、信明(さねあきら)((源信明))といひし歌詠みの孫にて、いみじく挑み交はしたるに、鷹狩の歌を二人詠みけるに、長能、
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   濡れ濡れもなを狩り行かむはしたかの上毛の雪をうち払ひつつ   濡れ濡れもなを狩り行かむはしたかの上毛の雪をうち払ひつつ
  
-と詠みて、おのおの「われが勝りたり」と論じつつ、四条大納言((藤原公任))のもとへ、二人参り判ぜさせ奉るに、大納言のたまふ、「ともによきにとりて、あられは、宿借るばかりは、いかで濡れむぞ。ここもとぞ劣りたる。歌柄はよし。道済がは、さ言はれたり。末の世にも集などにも入りなむ」と、ありければ、道済、舞ひ奏でて出でぬ。長能、物思ひ姿にて、出でにけり。さきざき、何事も長能は上手(うはて)を打ちけるに、この度は本意(ほい)なかりけりとぞ。+と詠みて、おのおの「われが勝りたり」と論じつつ、四条大納言((藤原公任))のもとへ、二人参り判ぜさせ奉るに、大納言のたまふ、「ともによきにとりて、あられは、宿借るばかりは、いかで濡れむぞ。ここもとぞ劣りたる。歌柄はよし。道済がは、さ言はれたり。末の世にも集などにも入りなむ」と、ありければ、道済、舞ひ奏でて出でぬ。長能、物思ひ姿にて、出でにけり。さきざき、何事も長能は上手(うはて)を打ちけるに、この度は本意(ほい)なかりけりとぞ。
  
 春を惜しみて、三月小ありけるに、長能、 春を惜しみて、三月小ありけるに、長能、
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 あはれに、すきずきしかりける事どもかな。 あはれに、すきずきしかりける事どもかな。
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text/kohon/kohon026.1453347187.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa