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text:kara:m_kara015 [2014/11/18 16:11] – 作成 Satoshi Nakagawatext:kara:m_kara015 [2014/12/03 11:05] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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   絵に描ける姿ばかりの悲しきは問へど答へぬ歎きなりけり   絵に描ける姿ばかりの悲しきは問へど答へぬ歎きなりけり
  
-また、亡き人の魂返す香を焚きて、夜もすがら待たせ給ふに、九重(ここのへ)錦の帳の内、かすかにて、夜の灯火の影ほのかなる、やうやく小夜(さよ)更けゆくほど、嵐すさまじく、夜静かなるに、「反魂香の験(しるし)あるにや」と思え給ひけれど、李夫人の形、有るにもあらず、無きにもあらず、夢幻(ゆめまぼろし)のごとくまがひて、束の間に消え失せぬ。待つこと久しけれど、返ることはうばたまの髪筋(かみすぢ)切るほどばかりなり。+また、亡き人の魂返す香を焚きて、夜もすがら待たせ給ふに、九重(ここのへ)錦の帳の内、かすかにて、夜の灯火の影ほのかなる、やうやく小夜(さよ)更けゆくほど、嵐すさまじく、夜静かなるに、「反魂香の験(しるし)あるにや」と思え給ひけれど、李夫人の形、有るにもあらず、無きにもあらず、夢幻(ゆめまぼろし)のごとくまがひて、束の間に消え失せぬ。待つこと久しけれど、返ることはうばたまの髪筋(かみすぢ)切るほどばかりなり。
  
-火をそむけて、帳を隔てて物言ひ答ふることなければ、なかなか御心をくだくつまとぞなりにける。+灯火をそむけて、帳を隔てて物言ひ答ふることなければ、なかなか御心をくだくつまとぞなりにける。
  
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text/kara/m_kara015.1416294698.txt.gz · 最終更新: 2014/11/18 16:11 by Satoshi Nakagawa