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text:k_konjaku:k_konjaku28-8 [2015/02/10 21:14] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku28-8 [2015/02/11 18:06] (現在) – [巻28第8話 木寺基増依物咎付異名語 第八] Satoshi Nakagawa
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 ====== 巻28第8話 木寺基増依物咎付異名語 第八 ====== ====== 巻28第8話 木寺基増依物咎付異名語 第八 ======
  
-今昔、一条の摂政殿の住給ける桃は、今の世尊寺也。其(そこ)にて、摂政、季の御読経行はれける時に、山・三井寺・奈良の止事無き学生共を撰て請ぜられたりければ、皆参りたりけるに、夕座を待つ程に、僧共居並て、或は経を読み、或は物語などしてなむ居たりける。+今昔、一条の摂政殿の住給ける桃は、今の世尊寺也。其(そこ)にて、摂政、季の御読経行はれける時に、山・三井寺・奈良の止事無き学生共を撰て請ぜられたりければ、皆参りたりけるに、夕座を待つ程に、僧共居並て、或は経を読み、或は物語などしてなむ居たりける。
  
 寝殿の南面てを御読経所に定たりければ、其の御読経所に居並て有る程に、南面の山・池などの、極じくおもしろ((底本言偏に慈))きを見て、山階寺の僧中算が云く、「哀れ、此の殿の木立(きだち)は異所には似ずかし」と云けるに、傍に木寺の基増と云ふ僧居て、此れを聞くままに、「奈良の法師こそ、尚疎き者は有れ。物云は賤き者かな。木立((「こだち」と読む))とこそ云へ、木立(きだち)((底本、ここに「こだち」とルビがあるが、ここは「きだち」とあるべき。))と云ふらむよな。後(うしろ)目た無きの言や」と云て、爪をはたはたとす。 寝殿の南面てを御読経所に定たりければ、其の御読経所に居並て有る程に、南面の山・池などの、極じくおもしろ((底本言偏に慈))きを見て、山階寺の僧中算が云く、「哀れ、此の殿の木立(きだち)は異所には似ずかし」と云けるに、傍に木寺の基増と云ふ僧居て、此れを聞くままに、「奈良の法師こそ、尚疎き者は有れ。物云は賤き者かな。木立((「こだち」と読む))とこそ云へ、木立(きだち)((底本、ここに「こだち」とルビがあるが、ここは「きだち」とあるべき。))と云ふらむよな。後(うしろ)目た無きの言や」と云て、爪をはたはたとす。
text/k_konjaku/k_konjaku28-8.1423570456.txt.gz · 最終更新: 2015/02/10 21:14 by Satoshi Nakagawa