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text:k_konjaku:k_konjaku19-4 [2016/01/31 15:37] – 作成 Satoshi Nakagawatext:k_konjaku:k_konjaku19-4 [2016/02/02 14:10] (現在) – [巻19第4話 摂津守源満仲出家語 第四] Satoshi Nakagawa
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 守、出家して後、聖人達、弥よ貴き事共を、物語の様にて、云ひ聞かしむれば、弥よ手を摺てなむ泣き居たる。聖人達、「極て功徳をも勧め得つるかな」と思て、「今少し道心付けて返らむ」と思て、「明日許は此くて候ひて、明後日に罷返らむ」と云へば、新発(しんぼち)、極て喜て返り入ぬ。 守、出家して後、聖人達、弥よ貴き事共を、物語の様にて、云ひ聞かしむれば、弥よ手を摺てなむ泣き居たる。聖人達、「極て功徳をも勧め得つるかな」と思て、「今少し道心付けて返らむ」と思て、「明日許は此くて候ひて、明後日に罷返らむ」と云へば、新発(しんぼち)、極て喜て返り入ぬ。
  
-其の日は暮ぬれば、又の日、此の聖人達云ひ合する様、「此く道心発したる時は、狂ふ様に何に盛に発たらむ。此の次に、今少し発さしめむ」とて、兼て、「若し信ずる事もや有」とて、菩薩の装束をなむ、十具許持たしめたりける只、笛・笙など吹く人共を少々雇たりければ、隠の方に遣して、菩薩の装束を着せて、「新発の出来て、道心の事共云ふ程に、池の西に有る山の後より、笛・笙など吹て、面白く楽を調へて来れ」と云ひたれば、楽を調へて、漸く来たるを、新発、「此れは何の楽ぞ」と怪しめば、聖人達、知らぬ貌にて、「何ぞの楽にや有らむ。極楽の迎へなどの来るは、此様(かやう)にや聞ゆらむ。念仏唱へむ」と云て、聖人達、并びに弟子共十人許、諸声に貴き音をして、念仏を唱ふれば、新発、手を摺り入て、貴ぶ事限無し。+其の日は暮ぬれば、又の日、此の聖人達云ひ合する様、「此く道心発したる時は、狂ふ様に何に盛に発たらむ。此の次に、今少し発さしめむ」とて、兼て、「若し信ずる事もや有」とて、菩薩の装束をなむ、十具許持たしめたりける只、笛・笙など吹く人共を少々雇たりければ、隠の方に遣して、菩薩の装束を着せて、「新発の出来て、道心の事共云ふ程に、池の西に有る山の後より、笛・笙など吹て、面白く楽を調へて来れ」と云ひたれば、楽を調へて、漸く来たるを、新発、「此れは何の楽ぞ」と怪しめば、聖人達、知らぬ貌にて、「何ぞの楽にや有らむ。極楽の迎へなどの来るは、此様(かやう)にや聞ゆらむ。念仏唱へむ」と云て、聖人達、并びに弟子共十人許、諸声に貴き音をして、念仏を唱ふれば、新発、手を摺り入て、貴ぶ事限無し。
  
 而る間、新発、居たる障紙を曳開て見れば、金色の菩薩、蓮華を捧て、漸く寄り御す。新発、此れを見付て、音を放て、板敷より丸び降て礼む。聖人達も此れを貴び礼む。菩薩、楽を引き調へて返ぬ。 而る間、新発、居たる障紙を曳開て見れば、金色の菩薩、蓮華を捧て、漸く寄り御す。新発、此れを見付て、音を放て、板敷より丸び降て礼む。聖人達も此れを貴び礼む。菩薩、楽を引き調へて返ぬ。
text/k_konjaku/k_konjaku19-4.1454222275.txt.gz · 最終更新: by Satoshi Nakagawa