醒睡笑 巻8 かすり
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吾妻人(あつまびと)1)の、歌いみじう好み詠みけるが2)、蛍を見て、
あなてるや虫のしや尻に火のつきて小人玉(こひとだま)とも見えわたるかな
「吾妻人のやうに詠まん」とて、まことは貫之3)が詠みたるとぞ4)。
一 あつまことの哥いみしかふみよみけるか蛍を みて あなてるや虫のしや尻に火のつきて こ人たまとも見へわたるかな 吾妻人のやうによまんとてまことは貫之が よみたるもぞ/n8-42r