醒睡笑 巻7 いひ損ひはなほらぬ
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移徙(わたまし)1)の連歌に、
春の日は軒端(のきば)に付きて回るらむ
といふ句を出だせり。宗匠、「消せ消せ2)」と言はるる。執筆(しゆひつ)、「墨が黒うて消されぬ」と言ふ時、右の作者、「何とやうにも消せ。また付けう3)ほどに」。
一 移徙の連歌に 春の日は軒端につきてまはるらむ といふ句を出せり宗匠けせけせといはるる 執筆(しゆひつ)墨がくろふてけされぬといふ時右の 作者なにとやうにもけせ又つけう程に/n7-16l