醒睡笑 巻5 人はそだち
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酌をする者、酒をほかとこぼしたれば、亭主、「その給仕は、このほどの這出(はひで)にて候ふゆへ、聊爾(れうじ)をつかまつりて候ふ」とあれば、かの酌、ちくと手を突き、「われら這出ではござない。伯父の馬に乗りて参りた」と申しけり。
一 しやくをする者酒をほかとこほしたれは亭 主其給仕は此ほとのはいでにて候ゆへ聊爾(れうじ) を仕て候とあればかのしやくちくと手をつ き我らはいででは御座ない伯父(おぢ)の馬に のりて参りたと申けり/n5-59l