醒睡笑 巻4 唯あり
普光院殿1)御影(みえい)に、
面影はうつすもやすしとにかくに命は筆も及ばざりけり
年寄らば飯やはらかにそつと食へ酒は過ぐとも独寝をせよ 夢庵2)
憂きことも嬉しきことも過ぎぬればその時ほどは思はざりけり
捨て果てて身はなきものと思へども雪の降る日は寒くこそあれ 西行
一 普光院殿御影に 面影はうつすもやすしとに角に 命は筆もをよばざりけり 年よらは飯やはらかにそつとくへ 酒は過とも独ねをせよ 夢庵 憂事も嬉事も過ぬれは其時程は思はさりけり 捨果て身はなき物とおもへとも/n4-62r
雪のふる日はさむくこそあれ 西行/n4-62l