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醒睡笑 巻4 唯あり

17 普光院殿御影に・・・

校訂本文

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普光院殿1)御影(みえい)に、

  面影はうつすもやすしとにかくに命は筆も及ばざりけり

  年寄らば飯やはらかにそつと食へ酒は過ぐとも独寝をせよ 夢庵2)

  憂きことも嬉しきことも過ぎぬればその時ほどは思はざりけり

  捨て果てて身はなきものと思へども雪の降る日は寒くこそあれ 西行

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翻刻

一 普光院殿御影に
   面影はうつすもやすしとに角に
   命は筆もをよばざりけり
   年よらは飯やはらかにそつとくへ
   酒は過とも独ねをせよ 夢庵
   憂事も嬉事も過ぬれは其時程は思はさりけり
   捨果て身はなき物とおもへとも/n4-62r
   雪のふる日はさむくこそあれ 西行/n4-62l
1)
足利義教。普広院が正しい。
2)
肖柏