目次

醒睡笑 巻3 不文字

39 ある者の息子百人一首を本にむかひたうたうと読みければ・・・

校訂本文

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

ある者の息子、百人一首を本にむかひ、たうたうと1)読みければ、親にて候ふ人、申されたる。「やれ、静かに読め。それやうなるものは返り点の習ひがむつかしいに」。

<<PREV 『醒睡笑』TOP NEXT>>

翻刻

一 ある者のむすこ百人一首を本にむかひたゝ
  たうとよみけれは親にて候人申されたる
  やれしつかによめそれやうなる物はかへりてん
  のならひかむつかしいに/n3-26r
1)
「たうたうと」は底本「たゝたうと」。諸本により訂正。