醒睡笑 巻2 賢だて
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花見の興の帰るさも、たそがれ時になりぬ。道のほとりに人の立ちたる姿ありければ、頭(あたま)を下げ手を合はせて礼をする。
つれの者、「あれは石塔なり」と言へば、かの人言ふ、「当世は、あれ体(てい)の人にも礼をしたがよい」と。
一 花見の興のかへるさもたそかれ時になりぬ 道のほとりに人のたちたるすかたありけれは あたまをさけてをあはせて礼をするつれ/n2-50l
の者あれは石塔なりといへは彼人いふ当 世はあれていの人にも礼をしたがよいと/n2-51r