醒睡笑 巻2 吝太郎(しはたらう)
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念者が若衆に向ひて、「真実そなたをいとほしい」と言ひければ、若衆の言葉に、「に」の字をえ言はで、「いとしくは、ぜ1)」と。返答に、「さやうの事を聞けば恋が、た2)」と。
一 念者か若衆にむかひて真実そなたをいと おしいといひけれは若衆の言葉ににの字 をえいはていとしくはせと返答にさやう の事を聞は恋かたと/n2-44l