醒睡笑 巻2 躻(うつけ)
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同じ板持1)方(かた)へ客あり。家のおとなの若狭守出で合ひて、座敷に請じ、「主人は他行(たぎやう)に候ふ」ともてなし、よきにあひはからふなかば、ふと障子を開け、みづから頬を叩いて、「若狭よ、若狭よ、われは留守の分ぞ」と。
とらへて置かんやうもあるまい2)。
一 同板持かたへ客あり家のおとなの若狭守出 合て座敷に請し主人は他行に候とも てなしよきにあひはからふなかはふと障子 をあけみつから頬をたたいて若狭よ若狭よ われはるすの分ぞと(とらへてをかんやうもあるまい)/n2-36r