醒睡笑 巻2 躻(うつけ)
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件の板持1)、馬に乗り坂をのぼりける時、胸懸(むながい)ひたものさがれば、鞍(くら)と馬の頭(かしら)との間、大きに延びたり。「やれ勿怪(もつけ)が出で来たは」と呼ばはる。
郎等ども、「何事や」と尋ぬれば、「にはかに馬の首が長うなつたは」と。
一 件の板持馬にのり坂をのほりける時胸懸 ひたものさかれは鞍と馬のかしらとの間大に のびたりやれ勿怪か出来はとよばはる 郎等とも何事やと尋ぬれは俄に馬の/n2-35l
くびがながふなつたはと/n2-36r