むみょうしょう
鴨長明による歌論。『鴨長明抄』『無名秘抄』ともいう。
「関清水事」に「建暦の初めの年十月二十日の比、三井寺へ行く。」とあることから、建暦元年(1211)以後の成立とみられる。
内容は、「題心事(題の心の事)」から「とこねの事」までの八十話の歌話、評論からなり説話集的な色彩が強く、長明とその師俊恵の和歌に対する見解を述べている。