text:yomeiuji:uji125
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text:yomeiuji:uji125 [2014/10/11 01:41] – Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji125 [2017/09/06 01:17] – [第125話(巻11・第2話)保輔、盗人たる事] Satoshi Nakagawa | ||
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今は昔、摂津守保昌の弟に、兵衛尉にて冠たまはりて、保輔といふもの有けり。盗人の長にてぞありける。家は姉小路の南、高倉の東に居たりけり。 | 今は昔、摂津守保昌の弟に、兵衛尉にて冠たまはりて、保輔といふもの有けり。盗人の長にてぞありける。家は姉小路の南、高倉の東に居たりけり。 | ||
- | 家の奥に蔵を作て、下をふかう井のやうに掘て、太刀、鞍、鎧、かぶと、絹、布など、万のうる物をよび入て、いふままに買て、「あたいをとらせよ」といひて、おくの蔵の内へよび入つつ、掘たる穴へつきいれつきいれして、もてきたる物ば取けり。 | + | 家の奥に蔵を作て、下をふかう井のやうに掘て、太刀、鞍、鎧、かぶと、絹、布など、万のうる物をよび入て、いふままに買て、「あたいをとらせよ」といひて、「おくの蔵のかたへぐしてゆけ」といひければ、「あたい給はん」とて行きたるを、蔵の内へよび入つつ、掘たる穴へつきいれつきいれして、もてきたる物をば取けり。 |
この保輔がり物もて入たるものの、帰ゆくなし。この事を物うりあやしう思へども、うづみころしぬれば、此事を云ものなかりけり。 | この保輔がり物もて入たるものの、帰ゆくなし。この事を物うりあやしう思へども、うづみころしぬれば、此事を云ものなかりけり。 | ||
これならず、京中をしありきて、ぬすみをしてすぎけり。この事、おろおろきこえたりけれども、いかなりけるにか、とらへからめらるる事もなくてぞ過にける。 | これならず、京中をしありきて、ぬすみをしてすぎけり。この事、おろおろきこえたりけれども、いかなりけるにか、とらへからめらるる事もなくてぞ過にける。 | ||
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text/yomeiuji/uji125.txt · 最終更新: 2019/04/29 15:27 by Satoshi Nakagawa