text:yomeiuji:uji064
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text:yomeiuji:uji064 [2018/03/18 18:59] – Satoshi Nakagawa | text:yomeiuji:uji064 [2018/03/18 18:59] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
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これも今は昔、式部大夫実重((平実重))は、賀茂へ参ること、ならびなき者なり。前生の運、おろそかにして、身に過ぎたる利生にあづからず。 | これも今は昔、式部大夫実重((平実重))は、賀茂へ参ること、ならびなき者なり。前生の運、おろそかにして、身に過ぎたる利生にあづからず。 | ||
- | 人の夢に、大明神((賀茂大明神))、「また、実重来たり、来たり」とて、歎かせおはしますよし見けり。 | + | 人の夢に、大明神((賀茂大明神))、「また実重、来たり、来たり」とて、歎かせおはしますよし、見けり。 |
実重、御本地を見奉るべきよし、祈り申すに、ある夜、下の御社に通夜したる夜、上へ参るあひだ、なから木のほとりにて、行幸に合ひ奉る。百官供奉、常のごとし。実重、片薮に隠れ居て見れば、鳳輦の中に金泥の経、一巻立たせおはしましたり。その外題に「一称南無仏。皆已成仏道」と書かれたり。 | 実重、御本地を見奉るべきよし、祈り申すに、ある夜、下の御社に通夜したる夜、上へ参るあひだ、なから木のほとりにて、行幸に合ひ奉る。百官供奉、常のごとし。実重、片薮に隠れ居て見れば、鳳輦の中に金泥の経、一巻立たせおはしましたり。その外題に「一称南無仏。皆已成仏道」と書かれたり。 |
text/yomeiuji/uji064.1521367163.txt.gz · 最終更新: 2018/03/18 18:59 by Satoshi Nakagawa