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text:yamato:u_yamato011
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text:yamato:u_yamato011 [2017/05/19 22:44] (現在) – 作成 Satoshi Nakagawa
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 +大和物語
 +====== 第11段 故源大納言の君忠房のぬしの御女東の方を年ごろ思ひて・・・ ======
 +
 +===== 校訂本文 =====
 +
 +故源大納言((源清蔭。[[u_yamato003|第3段]]参照。))の君、忠房((藤原忠房))のぬしの御女(みむすめ)東の方を、年ごろ思ひて住み渡り給ひけるを、亭子の院の若宮((醍醐天皇皇女韶子内親王))につき奉りて、離れ給ひてほど経にけり。子どもなどありければ、言(こと)も絶えず、同じ所になん住み給ひける。
 +
 +さて、詠みてやりける。
 +
 +  住の江のまつならなくに久しくも君と寝ぬ夜のなりにけるかな
 +
 +とありければ、返し、
 +
 +  久しくも思ほえねども住よしのまつやふたたび生ひかはるらん
 +
 +となむありける。
 +
 +===== 翻刻 =====
 +
 +  故源大納言のきみたたふさのぬしのみむ
 +  すめひかしのかたをとしころおもひてすみ
 +  わたりたまひけるをていしの院のわか
 +  みやにつきたてまつりてはなれ給て
 +  ほとへにけりこともなとありけれはこと
 +  もたえすおなしところになんすみ給
 +  けるさてよみてやりける
 +    すみのえのまつならなくにひさしくも
 +    きみとねぬよのなりにけるかな/d10l
 +
 +  とありけれはかへし
 +    ひさしくもおもほえねともすみよし
 +    のまつやふたたひをひかはるらん
 +  となむありける
 +  韶子内親王延喜皇女母女御源和子光孝天皇源氏
 +  韶子延喜廿年十二月十七日内親王三廿一年賀茂斎院後配
 +  清蔭卿後配河内守大納言薨内親王廿三/d11r
  
text/yamato/u_yamato011.txt · 最終更新: 2017/05/19 22:44 by Satoshi Nakagawa