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text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka03-01 [2017/10/24 17:50] – 作成 Satoshi Nakagawa | text:mogyuwaka:ndl_mogyuwaka03-01 [2017/10/24 18:23] (現在) – [翻刻] Satoshi Nakagawa | ||
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** 張翰適意 立秋 ** | ** 張翰適意 立秋 ** | ||
- | 張翰、斉王に召されて、東曹掾たりき。斉にある時、秋の風の颯然として、初めて至れるに、江南の菰菜の羹(あつもの)・鱸魚の膾(なます)を思ひ出でて、にはかに帰らむとす。人、とどむれども聞かず。 | + | 張翰、斉王((司馬冏))に召されて、東曹掾たりき。斉にある時、秋の風の颯然として、初めて至れるに、江南の菰菜の羹(あつもの)・鱸魚の膾(なます)を思ひ出でて、にはかに帰らむとす。人、とどむれども聞かず。 |
「人の楽しぶこと、心にかなふをよしとす。公事(おほやけごと)にほだされて、数千里を守りて、司(つかさ)・位(くらゐ)を求めても、何にかはせむ」と言ひて、江南に帰りぬ。 | 「人の楽しぶこと、心にかなふをよしとす。公事(おほやけごと)にほだされて、数千里を守りて、司(つかさ)・位(くらゐ)を求めても、何にかはせむ」と言ひて、江南に帰りぬ。 | ||
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その後、ほどなく斉王亡び給ひにければ、時の人、「張翰は、世の久しかるまじきことを、かねて悟りて、去りにけるなり」とぞ言ひける。 | その後、ほどなく斉王亡び給ひにければ、時の人、「張翰は、世の久しかるまじきことを、かねて悟りて、去りにけるなり」とぞ言ひける。 | ||
- | 故郷(ふるさと)の難波の波に思ひ立つ折しも袖に秋の上風(うはかぜ) | + | 故郷(ふるさと)の難波の波に思ひ立つおりしも袖に秋の上風(うはかぜ) |
===== 翻刻 ===== | ===== 翻刻 ===== | ||
張翰適意 立秋 | 張翰適意 立秋 | ||
- | 張翰斉王にめされて東曹掾(えむ)たりき斉に有る時秋の風の | + | 張翰斉王ニメサレテ東曹掾(エム)タリキ斉ニ有ル時秋ノ風ノ |
- | 颯(さつ)然としてはしめていたれるに江南の菰菜(さい)のあつもの鱸魚の | + | 颯(サツ)然トシテハシメテイタレルニ江南ノ菰菜(サイ)ノアツモノ鱸魚ノ |
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- | 里をまもりてつかさくらひをもとめてもなににかはせむと云て | + | 里ヲマモリテツカサクラヒヲモトメテモナニニカハセムト云テ |
- | 江南にかへりぬその後无程斉王ほろひたまひにけれは時の | + | 江南ニカヘリヌソノ後无程斉王ホロヒタマヒニケレハ時ノ |
- | 人張翰はよのひさしかるましきことを兼てさとりてさり | + | 人張翰ハヨノヒサシカルマシキコトヲ兼テサトリテサリ |
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text/mogyuwaka/ndl_mogyuwaka03-01.txt · 最終更新: 2017/10/24 18:23 by Satoshi Nakagawa