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text:kohon:kohon041 [2014/05/23 02:44] – 作成 Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon041 [2016/01/22 16:08] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 +古本説話集
 ====== 第41話 貫之、土佐の任に赴く事 ====== ====== 第41話 貫之、土佐の任に赴く事 ======
  
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 ===== 校訂本文 ===== ===== 校訂本文 =====
  
-今は昔、貫之が土佐の守になりて、下りてありけるほどに、任果ての年、七・八ばかりの子の、えもいはずをかしげなるを、限りなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失せにければ、泣き惑ひて、病づくばかり思ひこがるるほどに、月ごろになりぬれば、「かくてのみあるべきことかは。上りなむ」と思ふに、「児(ちご)のここにて何とありしはや」など、思ひ出でられて、いみじう悲しかりければ、柱に書き付けける。+今は昔、貫之((紀貫之))が土佐の守になりて、下りてありけるほどに、任果ての年、七・八ばかりの子の、えもいはずをかしげなるを、限りなくかなしうしけるが、とかくわづらひて失せにければ、泣き惑ひて、病づくばかり思ひこがるるほどに、月ごろになりぬれば、「かくてのみあるべきことかは。上りなむ」と思ふに、「児のここにて何とありしはや」など、思ひ出でられて、いみじう悲しかりければ、柱に書き付けける。
  
-  みやこへと思ふにつけて悲しきは帰らぬ人のあはれなりけり+  へと思ふにつけて悲しきは帰らぬ人のあはれなりけり
  
 と書きつけたりける歌なむ、今までありける。 と書きつけたりける歌なむ、今までありける。
text/kohon/kohon041.txt · 最終更新: 2016/01/22 16:08 by Satoshi Nakagawa