text:kohon:kohon011
差分
このページの2つのバージョン間の差分を表示します。
両方とも前のリビジョン前のリビジョン次のリビジョン | 前のリビジョン | ||
text:kohon:kohon011 [2016/01/20 16:06] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | text:kohon:kohon011 [2017/08/20 13:30] (現在) – [校訂本文] Satoshi Nakagawa | ||
---|---|---|---|
行 10: | 行 10: | ||
今は昔、季縄(すゑなを)の少将((藤原季縄))といふ人ありけり。 | 今は昔、季縄(すゑなを)の少将((藤原季縄))といふ人ありけり。 | ||
- | 大井に住みけるころ、御門((醍醐天皇))の仰せられける、「花おもしろくなりなば、かならず御覧ぜん」と。仰せられけれど、思し忘れて、おはしまさざりければ、少将、 | + | 大井に住みけるころ、御門((醍醐天皇。ただし、[[text: |
- | 散りぬれはくやしきものを大井川岸の山吹今さかりなり | + | 散りぬればくやしきものを大井川岸の山吹今さかりなり |
この季縄、病ひつきて、少しおこたりて、内裏(うち)に参りたりけり。公忠の弁((源公忠))、掃部の助にて、蔵人なりけるころの事なり。「みだり心地、いまだよくもおこたり侍らねども、心もとなくて参り侍りつる。後は知らねど、かくまで侍ること。明後日(あさて)ばかり、また参り侍らん。よき様に申させ給へ」とて、まかり出でぬ。 | この季縄、病ひつきて、少しおこたりて、内裏(うち)に参りたりけり。公忠の弁((源公忠))、掃部の助にて、蔵人なりけるころの事なり。「みだり心地、いまだよくもおこたり侍らねども、心もとなくて参り侍りつる。後は知らねど、かくまで侍ること。明後日(あさて)ばかり、また参り侍らん。よき様に申させ給へ」とて、まかり出でぬ。 |
text/kohon/kohon011.1453273560.txt.gz · 最終更新: 2016/01/20 16:06 by Satoshi Nakagawa