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text:kohon:kohon006 [2014/05/08 19:03] – [校訂本文] Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon006 [2014/07/28 04:32] – [校訂本文] Satoshi Nakagawa
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 始めつ方は、かやうに心ざしもなき様に見えたれど、後には上を去りたてまつらせ給ひて、ひたぶるにこの式部を妻(め)にせさせ給ひたりと見えたり。 始めつ方は、かやうに心ざしもなき様に見えたれど、後には上を去りたてまつらせ給ひて、ひたぶるにこの式部を妻(め)にせさせ給ひたりと見えたり。
  
-保昌に具して、丹後へ下りたるに、「明日狩りせむ」とて、者ども集ひたる夜さり、鹿のいたく鳴きゐたれば、「いで、あはれや。明日死なむずれば、いたく鳴くにこそ」と、心憂りければ、「さおぼさば、狩とどめむ。よからむ歌を詠み給へ」と言はれて+保昌に具して、丹後へ下りたるに、「明日狩りせむ」とて、者ども集ひたる夜さり、鹿のいたく鳴きゐたれば、「いで、あはれや。明日死なむずれば、いたく鳴くにこそ」と、心憂りければ、「さおぼさば、狩とどめむ。よからむ歌を詠み給へ」と言はれて
  
   ことはりやいかでか鹿の鳴かざらん今宵ばかりの命と思へば   ことはりやいかでか鹿の鳴かざらん今宵ばかりの命と思へば
text/kohon/kohon006.txt · 最終更新: 2021/10/07 02:00 by Satoshi Nakagawa