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text:kohon:kohon006 [2014/05/08 19:02] Satoshi Nakagawatext:kohon:kohon006 [2014/09/15 21:39] – [第6話 帥宮、和泉式部に通ひ給ふ事] Satoshi Nakagawa
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 +古本説話集
 ====== 第6話 帥宮、和泉式部に通ひ給ふ事 ====== ====== 第6話 帥宮、和泉式部に通ひ給ふ事 ======
  
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 有つる御文を見れば 有つる御文を見れば
  
-  我ゆゑに月を眺むと告げつればまことかと見に出でて来にけり+  我ゆゑに月を眺むと告げつればまことかと見に出でて来にけり
  
 「何事につけても、をかしうおはしますに、あはあはしき物に思はれ参らせたる、心憂くおぼゆ」と日記に書きたり。 「何事につけても、をかしうおはしますに、あはあはしき物に思はれ参らせたる、心憂くおぼゆ」と日記に書きたり。
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 始めつ方は、かやうに心ざしもなき様に見えたれど、後には上を去りたてまつらせ給ひて、ひたぶるにこの式部を妻(め)にせさせ給ひたりと見えたり。 始めつ方は、かやうに心ざしもなき様に見えたれど、後には上を去りたてまつらせ給ひて、ひたぶるにこの式部を妻(め)にせさせ給ひたりと見えたり。
  
-保昌に具して、丹後へ下りたるに、「明日狩りせむ」とて、者ども集ひたる夜さり、鹿のいたく鳴きゐたれば、「いで、あはれや。明日死なむずれば、いたく鳴くにこそ」と、心憂りければ、「さおぼさば、狩とどめむ。よからむ歌を詠み給へ」と言はれて+保昌に具して、丹後へ下りたるに、「明日狩りせむ」とて、者ども集ひたる夜さり、鹿のいたく鳴きゐたれば、「いで、あはれや。明日死なむずれば、いたく鳴くにこそ」と、心憂りければ、「さおぼさば、狩とどめむ。よからむ歌を詠み給へ」と言はれて
  
   ことはりやいかでか鹿の鳴かざらん今宵ばかりの命と思へば   ことはりやいかでか鹿の鳴かざらん今宵ばかりの命と思へば
text/kohon/kohon006.txt · 最終更新: 2021/10/07 02:00 by Satoshi Nakagawa